2025.12.19
天童木工「低座椅子」2脚張り替え事例|東京都新宿区のお客様
修理内容
- モデル名
- 低座椅子
- 種類
- ダイニングチェア
- 施工方法
- 生地の張り替え
- 修理工賃
- ¥30000〜¥60000
- お預かり期間
- 3週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 東京都新宿区
- 修理内容
-
時代を超えて愛される「ジャパニーズ・モダン」の傑作、天童木工の低座椅子。 今回は東京都新宿区にお住まいのお客様より、長年ご愛用されたこの椅子2脚の張り替えをご依頼いただきました。
「長年使って生地が古びてしまったけれど、座り慣れた感覚はそのまま残したい」
そんなご希望に応えるべく、今回は内部のウレタンフォームは既存の状態を活かしつつ、ファブリック(張地)の張り替えのみを行う「生地のリフレッシュ」に注力しました。 名作椅子が持つ本来のポテンシャルを損なうことなく、新しい装いへと生まれ変わらせる。
そのプロセスをご紹介させて頂きます。
- 施工前の状態(Before):名作が纏った時間の痕跡
ジャパニーズ・モダンの金字塔、低座椅子とは
まず、今回お預かりした椅子について、その背景を少し紐解いておきましょう。 これは1960年に発売された天童木工の「低座椅子(S-5016NA-ST)」です。坂倉準三建築研究所の担当として長大作氏がデザインしたこの椅子は、20世紀の日本デザイン史における金字塔とも言える存在です。
元々は歌舞伎役者である八代目松本幸四郎氏の邸宅設計の際、「和室でゆったりとくつろげる椅子を」という個人的な要望から生まれました。
カンティレバーチェアの構造を持つこの椅子の座面の高さは29cm。
これは、畳の上であぐらをかいて座る日本人の生活様式にあう高さです。
特徴的なのは、柿(こけら)の断面のような美しい曲線を描くプライウッド(成形合板)の脚部です。
薄い板を幾層にも重ねて曲げる天童木工のお家芸とも言える技術が、高い強度と軽やかなデザインを両立させています。
お預かり時のコンディション
まず、椅子の骨格である木部(フレーム)の状態が極めて良好でしたが
一方で、ファブリック(張地)には、どうしても避けられない経年の疲れが現れていました。
全体的な退色と汚れ 日焼けによる色褪せや、生活の中で付着した微細な汚れの蓄積により、全体的に色がくすんで見えました。シミも複数ありファブリックの色が濁ると、不思議と部屋全体の印象も少し古びて見えてしまうものです。
- 張り替え方法の紹介
工程1:生地の剥がし作業
最初のステップは、古い生地を剥がすことです。
木部を傷つけないように、タッカー(針)を一本一本丁寧に抜き取り、生地を剥がしていくと、ウレタンフォームだけのヌードの状態になります。
工程2:生地選び ― サンゲツ「UP5525(ニトラAC)」の採用
今回、新しい表情を作るために選ばれたのは、サンゲツの椅子張り専用生地「UP5525(シリーズ名:ニトラAC)」です。 この生地選びも今回のリフレッシュのハイライトであり、機能面での大きなアップグレードポイントです。
- 機能性「アクアクリーン」 実はこの生地、単なる布ではありません。
- 「アクアクリーン®テクノロジー」という特殊加工が施された、特殊なファブリックです。
- 「水だけ」で汚れが落ちる: アクアクリーン最大の特徴は、繊維一本一本が目に見えない分子皮膜でコーティングされている点です。
これにより、汚れが繊維の奥まで浸透するのを防ぎます。
もしコーヒー、ワイン、チョコレート、あるいは皮脂汚れなどが付着しても、少量の水を垂らすと汚れが浮き上がり、拭き取るだけで、簡単に汚れを落とすことができます。
-
- こんな方に最適です: 「布の椅子は手入れが大変」「シミができたら終わり」というこれまでの常識を覆すようなこの機能は、以下のような環境で特に真価を発揮します。
- 小さなお子様がいらっしゃるご家庭: 食べこぼしや飲みこぼしのリスクがあっても安心です。
- 室内でペットを飼われている方: 泥汚れや粗相もにも衛生的です。
- ダイニングやリビングでの使用: 今回の低座椅子のように、お茶やお酒を飲みながらくつろぐ家具にはうってつけです。
- こんな方に最適です: 「布の椅子は手入れが大変」「シミができたら終わり」というこれまでの常識を覆すようなこの機能は、以下のような環境で特に真価を発揮します。
工程3:張り込み
生地の裁断を終え、周りのパイピングを作りおえると、次は新しい生地を張り込んでいきます。
低座椅子は、背もたれから座面にかけての大きなカーブがデザインも一つの特徴なので、その辺りのアウトラインも崩さないよう注意して張り込んでいきます。
- 張り替え後
施工前の「使い込まれた椅子」といった印象からは一新され、生地の表面にあったシミも解消されて奇麗な状態に戻す事が出来ました。
生地もさらりとした感触で、季節を問わず快適に使っていただけると思います。
- まとめ
現代は、安価な家具を買い替えていく消費スタイルもあります。
しかし一方で、良い物を長く使うという選択肢もあるかと思います。
ソファや椅子の張り替え修理やクッションの修理を行う事で、構造のしっかりしているものであれば何十年も使っていただく事が出来るので、廃棄や買い替え前にお持ちのソファのバリューを知る意味でも、一度製造メーカーなどを確認して頂くと、ある程度しっかりしている物なのかどうかも分かると思います。
張り替えのご相談について
「うちの椅子も生地だけ変えたい」 「ウレタンがダメになっているかわからない」
そんな時は、まずはお写真をお送りください。
画像から椅子やソファの状態やデザインなどを確認し、お見積もりをお送りさせて頂きます。
【今回の施工データ】
- ご依頼主: 東京都新宿区のお客様
- 対象家具: 天童木工 低座椅子(S-5016NA-ST) 2脚
- 使用生地: サンゲツ UP5525(シリーズ名:ニトラAC / アクアクリーン機能付き)
- 参考納期: お預かりから約3週間~
※張り替えの費用は、仕様や生地の種類などにより変動します。
LINEやメールでお写真を送っていただければ、お見積もりが可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。
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