2026.07.20
エルポ erpo「アトランタ」ソファのレザー張り替え修理事例|肘掛け部分は色補修で対応
修理内容
- メーカー名
-
ERPO/エルポ
- メーカ紹介
-
<ERPO>はドイツでインテリア業界が主催する「Markt-Intern賞」を2005年から12年連続受賞。プロダクト品質はもちろん企業姿勢に至るまで、最もドイツらしく、誇るべきブランドとして認められています。快適さを生み出す設計精度は特に定評が高く、ソファの内部構造まで美しく仕上げられています。
- モデル名
- アトランタ
- 種類
- ソファ
- 修理工賃
- ¥90000〜¥120000
- お預かり期間
- 3週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 千葉県習志野市
- 修理内容
-
はじめに|今回ご依頼いただいたソファについて
今回ご紹介するのは、ドイツの高級ソファブランド「エルポ(erpo)」の「アトランタ(Atlanta)」というモデルの修理事例です。ダークブラウンの本革を使用した、ウィングバック調の背もたれとボリュームのある肘掛けクッションが特徴的な3人掛けソファで、座面のレザーに経年による傷みが見られたためご依頼をいただきました。座面クッションは革の張り替えを行い、あわせて肘掛け部分に出ていた本革の擦れについては、張り替えではなく塗装による補修で対応しています。
エルポというブランドについて
エルポは1952年にドイツ南部・バーデン=ヴュルテンベルク州のエルティンゲン(Ertingen)で創業された家具ブランドです。ブランド名は創業地である「Ertingen」と、布張り家具を意味する「Polstermöbel」の頭文字を組み合わせたものが由来とされています。創業から現在に至るまで、一貫して「Made in Germany」にこだわった生産を続けており、ドイツの職人技術と人間工学に基づいた設計を融合させたリラクゼーションソファのメーカーとして知られています。1985年には経営環境の悪化を背景にノルウェーの家具メーカー、エコーネス社の傘下に入り「エコーネス・エルポ」として展開された時期もありましたが、両社のデザイン哲学の違いなどから、1990年には再びエコーネスグループから独立し、創業の地エルティンゲンでのものづくりに立ち返っています。独立後は自社ブランドとしての製品ラインを整え、2010年にはミュンヘンの投資会社アフィヌムが大株主となる体制のもとで事業を継続してきました。座り心地と快適性を追求したデザインは高く評価されており、ドイツ国内のインテリア業界団体が主催する賞を長年にわたり受賞するなど、品質面でも定評のあるブランドです。2019年にはドイツのデザイン賞であるジャーマン・デザイン・アワードを受賞するなど、伝統的なクラフトマンシップと現代的なデザイン性を両立させたものづくりが評価され続けています。
お預かり時の状態|座面レザーの傷みと肘掛けの擦れ
お預かりした際の状態を確認すると、座面部分の本革には使用による摩耗や色あせ、シワの深まりが見られ、特に座る頻度の高い中央から向かって左側にかけて傷みが目立っていました。一方で背もたれ自体には大きな破損はなく、フレームの状態も良好でした。ただし肘掛け部分の本革には、日常的に腕を置いたり肘をついたりすることで生じる擦れが出ており、革の表面がところどころ薄くなって色味が変わってきている状態でした。
座面クッションのレザー張り替え
座面クッションについては、傷みの度合いから部分補修ではなく本革の張り替えを行うことにいたしました。まず古い革を取り外し、内部のクッション材やウレタンの状態を確認しながら、へたりが見られる箇所は必要に応じて詰め物を整え直し補充しています。その上で、背もたれや肘掛けなど他の部位に使われている本革の色味や質感、シボの雰囲気に合わせた革を選定し、型紙に沿って仕立て直しました。張り替え後は座面のシワや色ムラが解消され、他の部位との差異も少なく仕上がったかと思います。
肘掛け部分は張り替えずに塗装修理で対応
肘掛け部分については、革自体の破れや大きな損傷までは進んでいなかったため、張り替えではなく塗装による補修という選択をしています。本革の擦れによる色落ちは、革の染料や表面のコーティングが摩擦によって徐々に薄くなることで起こるため、色合わせをした塗料を使って丁寧に色を入れ直すことで、復元することができます。作業では、まず擦れた部分の表面を整えたうえで、既存の革色に近づけた塗料で研磨や乾燥を繰り返しながら薄く塗装を重ね、最後にコーティングを施すことで色ムラのない自然な仕上がりに整えました。張り替えに比べて費用や工期を抑えられるのも、この方法のメリットです。今回は座面と肘掛けとで、それぞれの傷み方に合わせた修理方法を使い分けることで、全体として無理のない形での再生を行いました。
仕上がりについて
修理が完了したソファは、座面のレザーが張り替えによって見た目の綺麗さと座り心地を取り戻し、肘掛け部分も色補修によって周囲との色味の差が気にならない状態になりました。ウィングバックの背もたれやボリュームのある肘掛けクッションといった、エルポ「アトランタ」らしいシルエットはそのままに、日々座るソファとしての快適さと美しさを取り戻すことができています。
まとめ
今回のエルポ「アトランタ」の修理事例では、座面はレザーの張り替え、肘掛けは塗装による色補修と、傷みの状態に応じて異なるアプローチを組み合わせました。本革のソファは傷んだ箇所すべてを一律に張り替える必要はなく、状態を見極めながら適切な修理方法を選ぶことで、コストを抑えつつ長く使い続けることができます。長年愛用してきたソファだからこそ、まずは現状を確認したうえで、張り替えと補修のどちらが適しているかをご相談いただければと思います。
その他事例
