2026.02.19
エコーネス・ストレスレスチェア/コンサル 皮革張り替えクッション修理
修理内容
- メーカー名
-
EKORNES/エコーネス
- メーカ紹介
-
柔らかいウレタンを詰めたオーバーパッドと高さ調節可能なネックサポートが付属したストレスレス®レノは歴代ベストセラーのひとつで、優れたリクライニングチェアのシンボルとなりました。丁寧につくられた家具は、座り心地がよく丈夫で、年を追うごとに素晴らしいストレスレス®な体験をもたらします。
- モデル名
- コンサル
- 種類
- リクライニングチェア
- 施工方法
- バネやクッションの修理生地の張り替え
- 修理工賃
- ¥90000〜¥120000
- お預かり期間
- 4週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 千葉県市川市
- 修理内容
-
ストレスレスチェアの構造的特徴と張り替え
エコーネスのストレスレスチェアは、1971年の誕生以来、人間工学に基づいた独自の快適性を追求し続けているリクライニングチェアです。
その最大の特徴は、独自の「プラス™システム(Plus™ system)」にあります。
これは、座る人の動きに合わせて頭部と腰部を自動的にサポートする機構であり、内部の金属フレームと高密度モールドウレタンが、複雑な連動を行うことで実現されています。
この高度な内部構造を包む皮革は、単なる外装材ではなく、座り心地を左右する重要なコンポーネントの一部です。
皮革には適度な伸長性と強度が求められ、かつ体温を適宜逃がす通気性も必要とされます。
経年劣化によって皮革が硬化したり、表面の塗装膜が剥離したりすると、これらの機能が損なわれるだけでなく、内部のウレタンへのダメージも加速します。そのため、適切なタイミングでの張り替え修理は、家具の寿命を延ばすために非常に合理的な選択となります。
張り替え修理前の状態
今回お預かりしたのは、エコーネスのコンサル。
張り替え前の状態を確認すると、以下の点が顕著に見受けられました。
- 座面とアームレストの革の劣化: 身体が直接触れる面積が大きく、かつ荷重が集中する部位において、皮革表面の仕上げ層(ピグメント層)が摩耗し、ベースとなる銀面が露出していました。
- ひび割れ(クラック)の発生: 皮革内部の油分が抜け、乾燥が進んだことにより、繊維が脆化。特に座面の屈曲部において、深いひび割れが進行していました。
- 皮脂による硬化: ヘッドレストやアームレスト部分は、直接肌が触れるため、皮脂や汗が蓄積しやすい部位です。これらが酸化し、皮革のタンパク質繊維と反応することで、柔軟性が失われ、パリパリとした独特の硬さが出ていました。
- ウレタンのへたり: 幸いにも内部のモールドウレタンに大きな欠損は見られませんでしたが、皮革の伸びに伴い、表面にわずかな「遊び」が生じていました。
これらの劣化は、皮革という天然素材を使用する上で避けられない現象ですが、ストレスレスチェアの頑丈な内部フレームは全く損傷していなかったため、革の張り替えによってクッションや表面の修理を行なっていきます。
素材の選定
今回の張り替え修理では、「張り替え前とできるだけ近い雰囲気を目指す」ことも一つの目的でした。
エコーネスの純正皮革には、大きく分けて「バティック」「パロマ」「コーリ」「ノーブル」なといったカテゴリーがありますが、今回選んだ革は、元の顔料仕上げのレザーと同様に顔料仕上げの革を選びました。
顔料仕上げの本革の特徴としては、染料仕上げの革に比べて耐光性なども高く、傷も付きにくく、メンテナンスが容易であることが特徴です。
張り替え工程:分解から縫製まで
エコーネスのストレスレスチェアは内部にリクライニング機構を内蔵しているため、慎重な取り扱いが求められます。
① 分解とパーツの切り分け
まず、フレームから本体を取り外し、シート、バックレスト、アームレスト、ヘッドレストの各パーツに分解します。
エコーネスのストレスレスチェアは、皮革がウレタンにドローコード(引き紐)で形状を固定している箇所があるモデルもあるため、無理な力を加えずに解体を進める必要があります。
② 型取り(パターン作成)
古い皮革を慎重に剥がし、革のカバーやフレームやクッションの形状や寸法を基にパターン(型紙)を作っていきます。
ただし、古い皮革は使用状態によっては伸びている箇所などもあるため、そのまま型取りすると仕上がりが「緩く」なってしまったりとします。
経験や寸法に基づき、素材の伸び率を計算に入れ、サイズを修正した新しいパターンを作成します。
③ 裁断と縫製
新しい皮革からパーツを切り出し、縫製に入ります。
縫製には、強度も求められるため、糸の番手選びも行い、皮革用の糸を使用します。
特に背もたれの曲線部分やアームの立体的な造形にも技術が必要です。
ステッチの必要な箇所は、均一な針目を保つことも重要です。
④ ウレタンの補修と下地処理
皮革を被せる前に、内部のモールドウレタンのメンテナンスを行い、全体のボリュームを均一に整えます。
張り込みと組み立て
縫い上がった皮革カバーを、ウレタンとフレームに被せていく「張り込み」の作業です。
- 機構のチェック:リクライニングの動きに問題がないかも確認します。
- 最終組み立て: 清掃したフレームに本体を取り付け、ボルトの締め直しを行います。
完成後
張り替え前に比べて、表面のクラックや剥離が完全に解消され、皮革本来の持つ上品な光沢が戻っています。
- 触感: ストレスレスチェアらしい「しっとりとした柔らかさ」が再現されました。
- 外観: オリジナルのブラウン色と近い色調を実現しており、室内の他の家具とも調和する仕上がりとなりました。
- 座り心地: ウレタンの修理を行ったことで、適度なホールド感と反発力が復活しました。
長期使用のためのメンテナンスアドバイス
新しく張り替えた皮革を良好な状態で維持するためには、日常的なケアが重要です。
- 直射日光の回避
皮革は紫外線によって変色や乾燥が進みます。
窓際で使用する場合は、カーテンなどで遮光することを推奨します。
ソファや椅子はくつろいだりする事を目的とするので、なかなか難しいケースもありますが、高温多湿を避けて風通しの良い場所での使用や保管が理想です。
・皮脂の除去
特にヘッドレスト付近は、使用後に乾いた柔らかい布で軽く拭くだけでも、劣化のスピードを遅らせる可能性があります。
・保護クリーム等の使用
アニリンレザーなどの染料で仕上がった革は、表面のコーティングが強くないため革用のクリームやオイルなどでのメンテナンスが有効です。
顔良系の塗料で仕上げている革に関しては、表面がウレタンなどの塗料の膜で覆われているため吸水性も低いためオイルなども中に浸透しません。
そのため空気中にの埃に含まれる水分や、皮脂などの除去を目的として定期的な乾拭きをお勧めいたします。
まとめ
エコーネス・ストレスレスチェアは、適切なメンテナンスを行えば数十年にわたって使用し続けることができる、椅子やソファの一つです。
革が傷んでしまったけど、張り替えで修復できる?
クッションがへたってしまったけどいくらくらいの費用が掛かるの?
など、椅子やソファの張り替えに関してわからない事がありましたら、お気軽にお問合せください。
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