2026.02.18
東京都港区のお客様/ ダイニングチェアの背もたれラタン(籐)張り替えと「ぐらつき」
修理内容
- 種類
- ダイニングチェア
- 施工方法
- 生地の張り替え
- 修理工賃
- ¥30000〜¥60000
- お預かり期間
- 3週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 東京都港区
- 修理内容
-
天然素材と暮らす
椅子やソファは日々の暮らしに必ずと言っていいほど身近にあり、普段の生活を支えてくれるパートーナーだと考えています。
今回お預かりしたラタン(籐)を使用した椅子は、その素材の軽さと通気性、そして独特の弾力性から、日本の住空間でも長く愛されてきました。
ご依頼をいただいた港区のお客様も、この椅子を長年愛用されており、背もたれのラタンが破れてしまった際も「買い替えるのではなく、直して使い続けたい」という考えをお持ちでした。
修理前の状態
修理まには、現状を把握することから始まります。
- ラタンの状態: 修理前の状態を確認すると、背もたれ中央部のラタンが乾燥によって硬化し、負荷に耐えきれず大きく破れてしまっています。
ラタンは植物性の繊維であるため、エアコンによる乾燥や直射日光、経年による油分の消失によって脆くなる性質があります。
一部が切れるとそこから一気に広がってしまう可能性があり、部分修理が難しいため全面的な張り替えが必要です。
- フレームのぐらつき: 画像からは分かりにくい部分ですが、フレームの接合部が緩んでいました。
椅子に座った際に「キシキシ」と音がしたり、左右に揺れたりするのは、構造体が少し悲鳴を上げているサインです。これを放置すると、木と木を繋げているダボなどが折れてしまったりもするため、ラタンの張り替えと同時にフレームのガタ付きも修理を行いました。
フレームグラ付きの修理
ラタンを交換する前に、フレームの補修に取り掛かります。
椅子のぐらつきは、単にネジを締め直すだけでは治りません。
一度接合部を分解し、古いボンドを完全に取り除いた上で、新しい木工用ボンドを塗布してクランプで強固に締め直します。
接合部に隙間ができている場合は、「木殺し」や「埋木」といった技法を使い、調整を行います。これにより、フレームの強度を取り戻すことができます。
ラタン張り替えの工程
ラタンの張り替えには、主に「手編み」と、あらかじめ編まれたシートを溝に打ち込む「シート張り」の2種類がありますが、今回は後者の仕様で、オリジナルの風合いを再現しました。
① 古いラタンの除去 まずは破れたラタンと、それを固定していた「芯(押さえ)」を取り除きます。この際、フレームの溝を傷つけないよう、専用の道具で慎重に古い接着剤やカスを削り取ります。手間のかかる作業ではありますが、この下地処理の精度が、新しいラタンを綺麗に張るための鍵となります。
② 新しいラタンの準備と「水浸け」 新しいラタンシートは、そのままでは硬くて加工ができません。そのため、一定時間水に浸して柔らかくします。
水分を含んだラタンは伸びる性質があり、この「伸びた状態」でフレームに固定し、乾燥させることで、ピンと張った綺麗な仕上がり(テンション)を作ります。
③ 打ち込みと固定 柔らかくなったラタンをフレームの溝に合わせて張り、専用の工具を使って均一な力で押し込んでいきます。シワが寄らないよう、上下左右のバランスを見ながら進める作業です。最後に、新しい「芯」を打ち込んで固定します。
仕上げ:着色と保護
新しく張り替えたばかりのラタンは、明るい生成り色(白っぽい色)をしています。張り替え後にすぐに周囲のフレームや他のラタンの椅子と色を合わせたい場合は、新しく張り替えたラタンに「着色(色合わせ)」を行います。
- 調色: 既存の木部や座面のレザー、もう一脚の椅子の色味を参考に、複数の染料をブレンドして最適な色を作ります。
- 塗装: 刷毛やスプレーを使い、ラタンの質感を損なわないよう薄く塗り重ねていきます。
- コーティング: 色が定着した後、表面を保護するためのトップコートを施します。これにより、汚れがつきにくくなり、耐久性も向上します。
結びに
椅子やソファを傷んだから捨てるのではなく、専門の職人の手を経て「再生」させる。そこには、新しいものを買うことでは得られない、愛着やストーリーが生まれます。
張り替えたばかりのラタンの香りと、ぐらつきのなくなった安心感。修理された椅子によってより豊かな空間ができると幸いです。
家具の修理、ラタンの張り替えや修理でお困りの際は、ぜひお気軽にご相談ください。
- お客様の声
- 30年経つ古い椅子のぐらつきと背もたれをバッチリ直してもらいました。素晴らしい技術です!
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