2025.12.24
イーセンアーレン(ETHAN ALLEN)の椅子アクアクリーン生地で張り替え修理
修理内容
- メーカー名
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ETHAN ALLEN/イーセンアーレン
- メーカ紹介
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1932年創立、アメリカ・コネチカット州ダンベリーに本社を置き世界に300店舗以上を展開するアメリカの家具ブランド。
多彩な人種が暮らすアメリカの文化を尊重し、世界中のスタイルをミックスし製品デザインに取り入れている。1500人いるというインテリアデザイナーとともに、ソファやダイニングテーブルからインテリア小物に至るまで、多種多様なデザインの製品を展開。その発想の自由さこそをユニークなアメリカンスタイルとして重要視している。日本では、カントリーテイストやウインザースタイルなど、欧米の伝統的デザインをベースとしたコレクションを展開中。
- 種類
- ダイニングチェア
- 施工方法
- 生地の張り替え
- 修理工賃
- ¥10000〜¥30000
- お預かり期間
- 4週間
- 依頼地域
- 東京都世田谷区
- 修理内容
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椅子やソファの張り替えは、単に古くなった布を新しくするだけの作業では無く。
その椅子が持つ本来のデザイン性を尊重しつつも、新しい生地でメンテナンス性やデザインなどを付加したりアップデートの機会でもあると思います。
今回、世田谷区のお客様よりご依頼いただいたのは、アメリカを代表するインテリアブランド**「ETHAN ALLEN(イーセンアーレン)」**のダイニングチェアの張り替えです。
張り替えに選んだ生地は、サンゲツの**「UP5555 スピリットAC」。
上品な光沢を持つベーシックな無地生地ですが、生地には「水だけで汚れが落ちる」というメンテナンス機能を持ったアクアクリーン生地です。
伝統的なデザインの椅子に、新しい機能性を持った生地を組み合わせて、見た目と実用性を両立させた、今回の張り替え事例を詳しくご紹介します。
1.アメリカン・インテリアの代名「ETHANALLEN」
まず、今回お預かりした椅子の背景にあるブランドについてです。
歴史と変遷
イーセンアーレンは、1932年にアメリカで設立された家具ブランドです。
ブランド名はアメリカ独立戦争の英雄であるイーサン・アレン将軍に由来し、創業当初は植民地時代風の「アーリーアメリカン」スタイルを主流としていました。
その重厚で温かみのあるデザインは、多くのアメリカ家庭で愛され、アメリカン・トラディショナル(アメトラ)の象徴的な存在となりました。
ブランドの特徴:多様性とトータルコーディネート
現在では、クラシックなスタイルだけでなく、モダン、カントリー、フォーマルなど、多岐にわたるデザインスタイルを展開しています。
イーセンアーレンの家具に共通しているのは、流行に流されすぎない普遍的なデザインと、堅牢な作りです。
特に木工技術には定評があり、今回お預かりした椅子も、しっかりとしたフレーム構造と塗装仕上げがされており、張り替えを行うことでこの先も長く使用できるような状態でした。
2.作業の目的と生地選定の背景
現状の課題
長年の使用により、座面のファブリックには経年による擦れや汚れの付着が見受けられました。
ダイニングチェアは食事をする場所で使用されるため、どうしても食べこぼしや飲みはねといった汚れのリスクが避けられません。
「デザインは気に入っているが、汚れを気にして使うのがストレスになる」という点は、布張り椅子を使用する多くのユーザーが抱える悩みだと思います。
解決策:サンゲツ「UP5555 スピリットAC」の採用
そこで今回ご提案し、選んでいただいたのが、サンゲツの椅子張り生地「UP5555 スピリットAC」です。 この生地を選んだ理由は、大きく分けてデザインとメンテナンス性になります。
1.意匠性:汎用性の高い光沢と質感
「スピリットAC」シリーズは、ベーシックな無地ファブリックで、表面には適度な光沢感があり、無地なのでいろいろなシチュエーションやデザインの空間でも使っていただく事ができ、非常に汎用性が高く、部屋の雰囲気を損なわずに椅子をリフレッシュさせることが出来ると思います。
イーセンアーレンのような装飾的な木部を持つクラシックな椅子に、柄物の生地を合わせるのも素敵ですが、今回の様な無地の生地も色の組み合わせだけを考えれば比較的悩むことなく生地を決めやすいというのも特徴です。
3.「アクアクリー(Aqua Clean)」とは
今回使用したUP5555は、スペインのアクアクリーン社が開発した特許技術を用いた高機能ファブリックです。
「水だけで汚れが落ちる」というキャッチコピーは広く知られていますが、その仕組みやメリットについて、より詳しく解説します。
技術的メカニズム:分子レベルのコーティング
一般的な「撥水加工」と「アクアクリーン」は、似て非なるものです。
- 一般的な撥水加工: 生地の表面で水分を弾く加工です。水玉になって転がりますが、一度染み込んでしまうと繊維の奥まで汚れが入り込み、落ちにくくなります。また、使用に伴う摩擦で効果が薄れやすい傾向があります。
- アクアクリーン加工: 繊維の1本1本を、目に見えない分子皮膜で覆う(コーティングする)技術です。 これにより、汚れが繊維の内部に浸透するのを物理的に防ぎます。生地の表面に汚れが留まっている状態を維持するため、水を加えることで汚れが浮き上がり、拭き取ることができるのです。
アクアクリーンを選ぶメリット
1.水だけでメンテナンスが可能
洗剤や化学薬品を使用する必要がありません。
少量の水を垂らし、数秒待ってから布で拭き取るだけで、コーヒー、ワイン、チョコレート、ケチャップ、泥汚れ等を落とすことができます。
2.優れた耐久性と持続性
後加工ではなく、製造段階での繊維処理であるため、クリーニング効果が長持ちします。
3.環境と人体への配慮
「OEKO-TEX® Standard 100(エコテックス・スタンダード100)」の認証を取得しており、人体に有害な物質が含まれていないことが証明されています。
また、「Safe Front®」という加工により、バクテリアやダニの増殖を防ぐ効果も備えているため、小さなお子様やペットのいるご家庭でも安心して使用できます。
どんな環境に向いているか
この生地は、以下のようなシチュエーションで特にその真価を発揮します。
- ダイニングルーム: 食べこぼし、飲みこぼしのリスクが高い場所。
- 小さなお子様のいるご家庭: クレヨンやサインペン(水性)の落書きにも対応可能(※インクの種類によります)。
- ペット(犬・猫)と暮らす環境: 泥汚れや粗相の処理ができ、爪が引っかかりにくい表面構造を持つタイプの生地もあります。
- 人の出入りの多いリビング: 皮脂汚れによる黒ずみなどを定期的にケアしたい場合。
作業プロセスと仕上がり
下地処理
張り替え作業において、生地を張る前の工程も重要で、古い生地を剥がした後、内部のウレタンフォーム(クッション材)の状態を確認します。
クッション材は消耗品です。
必要に応じてウレタンの補充や成形を行い、座った時の底付き感などを解消し、座り心地を復元します。
また、木部の接合部分に緩みがないかチェックし、必要であれば組み直しや接着の補強を行います。
今回はお客様のご希望で、座面が柔らかすぎで腰が痛くなってしまうという事だったので、ウレタンクッションを硬めの物に交換し座り心地を変えました。
張り上がり後
張り替え前にあった使用感も無くなり、生地が新しくなることでかなり椅子の印象も変わりました。
生地の持つ少しの光沢も奇麗で、木部の色とも良く合っていました。 奇抜な色や柄ではないため、いろいろなシチュエーションで活躍してくれそうです。
4.まとめ:賢い生地選びで家具を長く使う
家具の張り替えは、修理するだけでは無く椅子ののスペックを上げるマインドを持っていただけると生地選びなども少し視点が変わるのでは無いかと思います。
「白い椅子にしたいけれど、汚れるのが怖い」 「子供がいるから、布生地は諦めている」
そのような悩みをお持ちの方にとって、アクアクリーン生地は非常に有効な対策の一つになると思います。
ご自宅の椅子の張り替えをご検討の際は、ぜひ「デザイン」だけでなく「機能」にも着目して生地を選んでみては如何でしょうか。
【今回の施工データ】
- ブランド: ETHAN ALLEN(イーセンアーレン)
- アイテム: ダイニングチェア
- エリア: 東京都世田谷区
- 使用生地: サンゲツ UP5555 スピリットAC(Spirit AC)
- 生地機能: アクアクリーン(水だけで汚れが落ちる)、耐摩耗性
- 施工内容: 座面張り替え、内部ウレタン交換
【張り替えに関するお問い合わせ】
椅子の種類や状態、ご希望の生地によって費用は異なります。
まずは椅子のお写真(全体・座面アップ・裏側など)をお送りください。
概算のお見積もりや、生地選びのアドバイスをさせていただきます。
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