■ はじめに：使い慣れたソファを「新しい気持ち」で迎えるために

今回ご紹介するのは、1人掛けのカバーリングソファの張り替え事例です。
長年ご愛用されてきたこちらのソファは、座面や背もたれに汚れが目立ち始め、また全体的に生地の色にもくすみが出てしまっていました。

以前はお孫さんが遊びに来るたびにソファに座り、飲み物をこぼしてしまったりと、どうしても汚れが蓄積してしまっていたそうです。
しかし、最近はお孫さんも大きくなり、家の中も落ち着いた空間に戻ってきたとのことで「そろそろこのソファをきれいにして、リフレッシュしたい」というご希望で、張り替えのご依頼をいただきました。

■ Before：使い込まれたベージュ生地のソファ

施工前のソファは、落ち着いたベージュ系のファブリックが使われていました。
もともとは上品な印象でしたが、経年による変色や、座面や背もたれ上部にできた輪染みが目立ち、全体的に少し使用感を感じる状態でした。

生地自体はまだ破れはないものの、もともとあったであろう艶がなくなり、汚れが取れにくい状態。
このようなケースは「買い替え」か「張り替え」で悩まれる方も多いですが、構造がしっかりしているソファや椅子の場合、張り替えによって椅子やソファの印象を変え、布の汚れや劣化も無くし蘇らせることが可能です。

また、このソファはカバーリングタイプ（マジックテープでフレームに固定するタイプ）のため、生地の脱着が比較的スムーズに行えるのも特徴です。
フレームやクッションの状態を確認したところ、内部に問題は無く今回は張り替えによって美しさと清潔感を取り戻せるよう、椅子をお預かりさせて頂きました。

■ 張り替え生地：シンコール「トリロジー T-9632」

今回使用した生地は、国内メーカー・シンコールの**「トリロジー T-9632」**です。
このシリーズは、上品な艶とクラシックなデザインのファブリックで、
椅子やソファの印象を落ち着いて清楚な無地のものから、少し華やかで存在感のあるものに変えてくれると思います。

T-9632は、淡いピンクとグリーンをベースに、花柄とストライプが織り込まれたデザイン。
クラシカルでありながら、重すぎない色合いが特徴で、和風のデザイン、洋風のデザインの椅子やソファや空間、どちらにもマッチしてくれるデザインです。

この柄を選ばれたお客様は、「張り替えを機に、少し雰囲気を変えたい」という考えから、思い切って華やかなファブリックに挑戦されました。
結果として、シンプルなフォルムのソファに程よい装飾性が加わり、存在感のある椅子へと変化しました。

🔗 生地参考：シンコール「トリロジー T-9632」
https://sincol-group.jp/digitalcatalog/textile2023/#page90

■ 張り替え作業の流れ

① カバーの取り外し

まずは、マジックテープで固定されているカバーを本体から外していきます。
回転式の台がある椅子なので、そのあたりも同時に不具合が無いかもチェックします。

② 型取りと新しい生地の裁断

剥がした生地や本体の寸法などを基に型取りを行い、新しい生地をその方に合わせて裁断してきます。

今回は柄物の生地なので、柄合わせも忘れずにし裁断していきます。

③ 縫製・仕上げ

裁断したパーツを縫製し、マジックテープを取り付け。
布生地も厚みや伸縮など様々なので、その生地によって気を使うポイントも変わってきます。

④ カバーの装着・最終チェック

完成した新しいカバーをソファに装着。
フィット感を確認しながら、全体の張り具合を整えます。

■ 椅子の張り替え後の印象

張り替え後のソファは、まるで別の家具のように華やかな印象へと変わりました。
ベージュの落ち着いた雰囲気から一転、トリロジーの柄が映えて部屋の雰囲気も変わってくると思います。

また、カバーリングタイプならではのメリットとしてはウォッシャブルの生地で張替えた際には、生地が後々汚れた時もカバーを外してお手入れが可能です。
お客様からも、「部屋が明るくなりました」と嬉しいお声をいただきました。

■ 椅子やソファの張り替えによって得られる3つの効果

① インテリアの印象を大きく変えられる

ソファは部屋の中でも目を引く家具のひとつです。
生地を変えるだけで、部屋全体の雰囲気がガラリと変わります。
今回のように柄物を選ぶと、空間にアクセントを加えつつも、統一感を保つことができます。

② 清潔で快適な座り心地を取り戻せる

長年使って汚れてしまったソファは、くたびれ感が出てしまいます。
ソファや椅子の張り替えによって清潔さと張り感を取り戻せるため、快適ですね。

③ ソファや椅子を長く使い続けられる

張り替えや修理によって、傷んでいたソファや椅子の修理も行い、クッションのヘタリをなおし、生地も新しく張替えて見た目と機能の両方を改善し、寿命を延ばします。

如何でしたでしょうか、今回のパーソナルチェアの張り替え事例は、無地の生地から柄物生地へと張り替えた事例の一つです。

椅子やソファの生地やクッション、そして木部などが傷んでしまっても、張り替えや修理での再生やイメージチェンジでリフレッシュする事で、張り替え修理前よりも更に快適に使い続ける事ができるケースも多くあります。

廃棄や買い替え前に一度張替えや修理を検討してみては如何でしょうか。