2025.10.23

銀座の店舗ソファ張り替え事例:撥水加工のシンコールT9351スイジンで張り替え修理

BEFORE

AFTER

修理内容

種類
ソファ
施工方法
生地の張り替え
修理工賃
¥200000〜¥250000
配送方法
自社便
依頼地域
東京都中央区
修理内容

東京・銀座の飲食店舗にて、店舗リニューアル工事にあわせてソファの張り替えを行いました。

張り替え後の印象を張り替え前とは大きく崩さず、それでいて清潔感と機能性を高めたいというご要望をいただきました。
使用した張り替え生地は シンコールの「T9351 スイジン」。撥水加工が施された生地で、飲食店舗で起こりやすい飲みこぼしなどへの耐性にも優れています。

今回は、実際の施工の様子とともに、撥水生地の特徴や防水との違いについても詳しくご紹介します。

ご依頼の背景:店舗リニューアルに合わせたソファの刷新

今回ご依頼いただいたのは、銀座エリアにある飲食店様。
店舗全体のリニューアル工事にあわせて、客席ソファの張り替えを行いたいというご相談をいただきました。
既存のソファは数年の使用を経て、座面・背もたれともにやや汚れやへたりが見られる状態でしたが、構造体自体はしっかりしており、張り替えによってリフレッシュさせて頂きました。

飲食店舗の場合、日常的に不特定多数のお客様が利用されるため、
「見た目の清潔感」と「メンテナンス性」はとても重要だと思います。
そのため今回は、デザインだけでなく機能性にも配慮した生地選びからスタートしました。

使用生地:シンコール「T9351 スイジン」

今回使用したのは、シンコールのファブリック「T9351 スイジン」。
落ち着きのあるブラウン系のトーンで、他の椅子ともトーンを合わせたいというご希望もあり、汎用性も高く調和しやすいカラーなのかと思います。
この生地の大きな特徴は、撥水加工が施されている点です。

🔹 撥水加工とは

撥水加工とは、生地の表面に特殊なコーティングを施し、水滴や汚れが繊維内部に浸透しにくくする技術のことを指します。
つまり、「水を弾く」という性質をもたせたものです。
飲み物がこぼれた際も、すぐに拭き取ればシミになりにくく、店舗など不特定多数が利用する空間では非常に有効な機能です。

一方で、「防水」とは異なります。
防水とは、水を完全に通さない状態を指し、雨具やアウトドア製品のように内部への水分侵入を完全に防ぐ加工です。
しかし、椅子やソファに使う張り地の場合、通気性や柔軟性が必要なため、防水素材を使うことは基本的にありません。
椅子生地に存在するのは「撥水加工」が基本なので、防水加工の椅子張り生地は現在のところシンコールやサンゲツなどのメーカーからは出ていません。

 

撥水加工生地は、「飲みこぼし」などが多い飲食店の他、小さなお子さんのいるご家庭などでも重宝します。

されており、実用性と見た目のバランスを両立できる素材です。

しかしながら、圧の強い水分が当たると(ホースや蛇口から噴き出すような水)それには耐えられず生地に水分は浸透してしまいます。

ですので、カッパや傘などの防水とは違う用途で使われるのが撥水加工となります。

基本的には合成皮革の方が浸水性は低く、水分を通さないので飲みこぼしなどへのメンテナンス性は高いですが、ファブリックの風合いも必要で、且つ飲みこぼしも気になるなどの場合は撥水加工が施された布もお勧めです。

張り替え作業:現場での施工対応

今回のソファは、店舗の壁面に沿って造り付けされた長いベンチタイプのソファでした。
このタイプのソファは、搬出・搬入が出来ないわけではありませんが、縫製の仕様などによっては現場での張り替えが可能です。

又、ソファを引き取ってしまうと店舗の営業も止めなければいけなくなる為、出来るだけ夜間作業も含めた現場作業にて対応させて頂いています。

そのため、職人が直接現地に伺い、既存の張地を剥がし、新しい生地を張り込む「現場施工」を行いました。

現場作業の工程

  1. 既存張地の剥がし
    ステープルを取り外して、古い既存の生地を現場にて剥がします。
  2. ウレタンの確認と補修
    座面や背もたれのクッション性を確保するため、へたりが強い箇所はウレタンを部分補修。
    店舗用ソファは利用頻度が高いため、クッション性能の維持も重要です。
  3. 新しい生地の張り込み
    シンコールT9351スイジンを使用し、座面・背もたれともに張り込んでいきます。
    カーブ部分はテンション(張りの強さ)を均一にしながらシワが出ないよう仕上げました。
  4. 仕上げ・清掃
    張替え完了後、全体の張り具合等のチェックを行い、周辺を清掃。
    店舗全体の工事スケジュールに合わせて作業を終えました。

 

張り替え後の仕上がり

仕上がりは、明るすぎず暗すぎない落ち着いたブラウントーン。
店舗の内装との相性も非常に良く、清潔感のある空間に生まれ変わりました。

 

撥水生地特有の軽い光沢がありながらも、表情はマットで張りのある生地です。
機能性とデザイン性を両立できる仕上がりになりました。
このように、張り替えを行うことで単に見た目を綺麗にするだけでなく、店舗全体の印象をアップデートする効果も得られます。

座席は店舗の印象を左右する要素のひとつでもあると思っています。
特に飲食店では、お客様が一番長く触れている場所がソファや椅子。
そのため、定期的なメンテナンスや張り替えによって、衛生面とデザイン面の両方を維持したり、アップデートしたりすることも出来ます。

椅子やソファの張り替えの際に、選ぶ生地の素材によって椅子やソファの雰囲気や機能性を変えずに張り替えたり、お店全体の印象を変えてあげたりと、生地によって店舗の印象も大きく変わると思います。

このように、店舗の改装やリニューアル時にソファの張り替えを同時に行うことで、
「見た目・機能性・清潔感」を一度に向上させることができます。
椅子やソファの状態が気になってきた際は、ぜひ一度ご相談ください。

 

使用した生地情報

スイジン T-7422 ¥4400/m

品名
スイジン
品番
T-7422
カタログ
https://sincol-group.jp/digitalcatalog/textile2019/#page138
国名
日本
カラー
ブラウン
素材
PE51% AC49%
無地
生地幅
150㎝
価格帯
~6000円/m以下
価格
¥4400/m
機能性
バックコーティング 撥水
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