2025.10.17
バロッサ・バレンティーの椅子張り替え修理|アンティーク調の本革から合皮へ
修理内容
- メーカー名
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VARO,S.A. VALENTI/バッロサバレンティ
- メーカ紹介
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18世紀に創業されたスペインの最高級家具メーカーブランドです。
ヨーロッパで 、16世紀から18世紀にかけてつくられていたクラッシックスタイルの家具のリプロダクションから始め、
技術や知識を蓄積。「バレンティスタイル」という独自のエレガントで気品のあるデザインの家具をつくり上げています。
クラシカルで伝統的な家具はその歴史ある熟練の技から生まれた洗練の極みと評されています。
このようなバロッサバレンティ独特のフォルムの家具は、
世界中のセレブやインテリアファンから、あこがれのブランドになっています。
- 施工方法
- 生地の張り替え
- 修理工賃
- ¥10000〜¥30000
- お預かり期間
- 3週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 栃木県栃木市
- 修理内容
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スペインのクラシック家具ブランド「バロッサ・バレンティー(Barossa Valentti)」の椅子を、長年の使用による革の劣化で張り替えさせていただきました。
今回のご依頼は、ゴルフ場のレストランで使用されている椅子20数脚。以前にも同じゴルフ場からご依頼をいただいた経緯があり、今回は2度目の施工となります。
使用頻度の高いゴルフ場のレストランの椅子という事で、革にひび割れや色褪せなどの劣化が多数見られましたが、今回椅子を生地の張り替えで奇麗にされたいという事でお預かりさせて頂きました。■ 張り替え前の椅子の状態
バロッサバレンティ―らしい、クラシカルな雰囲気があり素敵な椅子ですが張地の本革部分は特に座面にヒビワレが目立っていて、椅子によっては少し破れのあるものもありました。
木部の破損や劣化などは左程ありませんでしたが、本革部分に痛みがあったので張替えをすることで奇麗な状態に戻せそうです。
クッションにもヘタリがあったので、クッション部分ヘタリの修理をしました。
■ 張り替え素材の選定:シンコール「レガシー」L-6718
今回張替えに使った生地は本革ではなく合皮になります。
シンコールの合皮「レガシー(Legacy)」L-6718になります。
この生地は、アンティーク調の加工が施された合皮になります、張り替え前の本革もバロッサバレンティ―らしくアンティーク調の加工がされた本革で、出来る限り張り替え前の雰囲気を損ないたくないというのがあるのですが、多少色味が濃くなりはしましたが、ほぼ張替え前と遜色ない見栄えで仕上がったかと思います。
この手の生地は、クラシックな木フレームとの相性もとても良いかと思います。
また、レガシーは耐アルコール性・耐次亜塩素酸性・難燃機能など、業務用途に適した機能も持っており、飲食店やホテル、公共施設でも安心して使用できる素材です。
「本革から合皮へ張り替える」というと、グレードダウンの印象を持たれる方もいます。
しかし実際には、**用途や環境に合わせて素材を最適化することのメリットもあると思います。レストランなどの飲食する場所での使用は、日々多くの方が入れ替わり座る環境になります。その為
・飲み物や飲み物のこぼれや汚れ
・日々のふき取りなどのメンテナンス・出来るだけ張替え時もコストを下げたい
などの課題も多いのではないでしょうか。今回のように合皮を選ぶことで、
見た目の良さも維持しながらも、清掃などのメンテナンスのしやすさ・コストパフォーマンス向上させることができました。
結果として、見た目の雰囲気を変えずにメンテナンス性を上げるという張替え修理になったかと思います。■ 施工のポイントと仕上げ
脚数のボリュームのある張り替え作業でしたが、
一点一点、木部や鋲飾りの状態を確認しながら丁寧に進めました。張り替え前の仕様では**単鋲(1本ずつ打ち込む装飾鋲)が使われていましたが、
今回は連鋲(連続したデザイン鋲)**に変更。
これにより、コストを抑えつつもデザインの統一感を保ち張替えをすることが出来ました。連鋲は単鋲に比べて施工効率が高く、複数脚を同時に仕上げるようなケースではコストダウンには有効です。
鋲の仕様に拘りのある場合は、もちろん単鋲で仕上げる事も可能ですがそうでなければ今回の様に連鋲で仕上げをすることも可能です。クッション材も座り心地を確認しつつ必要箇所を補修。
張り替え後は、しっかりとした座り心地と清潔感のある外観を両立させています。■ 施工前後の比較と印象の変化
【施工前】
本革が乾燥し、細かなひびや色ムラが見られ、椅子全体がくたびれた印象。
長年の使用による座面のツヤも薄れ、表面のキズも目立っていました。【施工後】
新しい合皮の光沢と、見た目のレザーの雰囲気を演出。
木部との調和も取れており、落ち着いたグリーンが空間を上品に引き締めてくれると思います。
レストラン全体の印象も明るく、統一感のある雰囲気になりました。■ 張り替えのまとめとポイント
項目 内容 椅子ブランド バロッサ・バレンティー 使用場所 ゴルフ場レストラン 張り替え内容 本革 → 合皮(シンコール レガシー L-6718) 生地の特徴 アンティーク調加工、難燃・耐アルコール・耐次亜塩素酸対応 施工数 約20数脚 仕上げ鋲 単鋲 → 連鋲に変更 効果 コスト削減・雰囲気維持・メンテナンス性の向上 ■ まとめ
今回の張り替えでは、
結果として、見た目を出来るだけ変えず、清潔感、機能性・コスト面でアップデートできました。
レストランの雰囲気をそのままに保ちながらも、来客される方にとっても快適で清潔な空間を作るお手伝いが出来ると嬉しいです。椅子やソファの張り替えは、状態を元に戻すというだけではなく、選ぶ生地などによってメンテナンス性を向上させたり、今までとは違う雰囲気を作ったりとすることが出来る手段の一つだと思います。
古くなった椅子やソファをこの先どうしよう? とお考えの際には廃棄や買い替えを考える前に、一度張替えや修理を検討してみては如何でしょうか。
使用した生地情報
合皮
レガシー L-8456 ¥2100/m
