■ ご依頼内容

今回ご依頼いただいたのは、杉並区にお住まいのお客様。

「高価なものでは無いけれど、できるなら張替えなどで修理をして、また長く使いたい」とのお声をいただき、椅子の張り替えをご相談いただきました。

椅子やソファは表面の革や合皮や布などの生地が傷んでしまっても、クッションやカバーを張り替えたり修理する事で、長く使っていただけます。

今回の事例のように、椅子の座面のカバーが傷んでしまった時や、ソファのクッションがヘタってしまったり、生地が破れてしまった時も張り替えや修理という選択肢もありますので、同じような事例でお困りの際には是非ご参考にして頂けると嬉しいです。

■ 張り替え前の状態：合皮の剥がれとクッションの劣化

施工前の椅子は、使用感があり、以下のような状態でした。

• 座面のカバーの合皮に剥がれなどの劣化があった
• ウレタンがへたっており、クッション性が低下していた
• レザーも使用感があり、全体的に少し草臥れた印象

■ 使用した生地：サンゲツ「アビデ UP5217」ブラック

今回の椅子の張り替えでは、サンゲツの合皮生地《アビデ UP5217》を使用しました。こちらの生地は多機能で、以下のような特長を持っています：

☑ 耐光性

レザーや本革、ファブリックなど椅子張りに限らず、生地が紫外線に多く当たり過ぎると硬化や退色などの問題が少なからず起きてきます。

耐光性の機能を持つことで、紫外線による色褪せや劣化に強く、ちょっとした屋外などでも使用可能な生地の一つです

☑ 難燃性（自動車内装用基準クリア）

燃えにくく、安全性の高い素材です。

☑ 耐アルコール性

消毒やアルコール清掃にも耐えられるため、日常的なメンテナンスや美容室などのアルコール系のものを使用する環境にも向いています。

☑ 美しいマット質感

ブラックのシンプルな色合いで、木製フレームの色とも相性がよく、上品な印象にも。

このように、実用性・も兼ね備えた生地を使用することで、張り替える際に見た目以外のご要望にもお応えする事が可能です。

■ 作業内容：座面の張り替えとクッション修理

施工は、以下の工程を丁寧に進めました：

1. フレームから座面を外し、古い合皮をクッションから剥がします
2. ヘタってしまったクッションの座り心地の改善
3. 新しく裁断した生地をパーツ毎に縫製
4. 縫製が完了した生地の張り込み

■ 張り替え後

今回の張り替えは同じ合皮で同じ黒い色のもので張り替えました。

同じ素材で同じ色でも、艶感や色味の微妙な違いがあるので、印象も変わります。

新しい合皮の方が、張り替え前に比べて艶感も無くマットな印象ですがそれにより、少し落ち着いて上品な印象になったのでは無いかと思います。

ソファや椅子の張り替えは破損しているところや、クッションのヘタリなど、修理をして再生する事も目的の一つではありますが、新しい生地を選ぶことによって色を変えたり、布からレザー、合皮から本革など素材感を変える事でいままでの椅子やソファの印象を変える事にも繋がります。

お部屋や空間の模様替えや、リフォームなどと同時にそれに合わせて椅子やソファのイメージも変える事も出来ると思います。

また、お子さんやペットなどがいる環境では、汚れに強い生地に変えたりなど機能性の面でもワンランクアップさせることも出来ます。

ご自身の環境や意向に合わせて、椅子やソファの張り替えを楽しんでみては如何でしょうか、

お気に入りの椅子、ソファ、ダイニングチェアなど、まだまだ使える家具を手放す前に、ぜひ張り替えという選択肢をご検討ください。