座るととても心地の良いロッキングチェアをお預かりさせて頂き、背凭れと座面の籐の張り替え修理をしました。

先代から引き継がれたというこちらのロッキングチェアですが、ヴィンテージな雰囲気もあり素敵な椅子です。

これからも大切に使っていきたいということで、劣化してしまったラタン部分の張り替えをさせて頂きました。

ダイニングチェア、座椅子、スツール、リクライニングチェア等々、椅子もいろいろな名前の椅子が沢山あり、その中の一つがロッキングチェアになります。

ロッキングチェアとは、フレームの底の部分は弓なりに作られているので、座ったときに前後ゆらゆらと軽く揺れるのが特徴です。

庭先のデッキなどにロッキングチェアを置いて、天気の良い日に本を読みながらくつろぐ様な光景が想像でき、別名「揺り椅子」ともいうようです。

ロッキングチェアのルーツは１８世紀初頭にアメリカのイギリス植民地で使われていたという説があり、かなり歴史がありますね。

元々は４つ足の普通の椅子と変わらない外見だったのが、最初のロッキングチェアだったようですが、曲木の技術で有名な、ドイツのミヒャエル・トーネットがその形を変え、曲線状のロッキングチェアを考案したようです。

基本的には一人掛け用の木製フレームのロッキングチェアというのが多く、そのイメージが広く知られているかと思いますが、今ではアウトドア用のスチール製のものやソファータイプのロッキングチェアなどもあるようです。

また、よくリクライニングチェアと混同してしまいがちですが、リクライニングチェアは背もたれが可動式で後ろに倒れるものを言い、レバーなどで意図的に背凭れを後方に倒すのがリクライニングチェアです。

ロッキングチェアはあくまで、フレームの底の部分が湾曲していて、後方に椅子自体が揺れ動くものになります。

どちらもリラックスする目的の椅子なので、好みに合わせて選んでみては如何でしょうか。

張り替えの方は背もたれも座面も新しくなり、今まであった破れやシミなどもなくなり外見もフレッシュになりました。

これからも長くこの椅子を使ってもらえると嬉しいです。

この度はご依頼いただき、大変有難う御座いました。