椅子やソファーのお悩み解決

COLUMN

ソファーや椅子の生地のペット対策や最適な生地は?

日本では、推計で犬は710万頭、猫は894万匹と数えられるほど家族として家庭で可愛がられています。
一度飼うと可愛らしくて、たまらない瞬間が沢山ありますよね♪

ウチの犬はソファーの隅を掘る事をおぼえてしまって、ソファーの生地が既にボロボロになりそうで😲
どうしていいか悩んでいるの。。

ソファーや椅子の生地を今後張り替える事があれば、ペット対策にどんな生地があるのか、そもそもキズを付けない為にどうしたら良いのかという事を伝えたいと思うから、最後まで見てみてね!

犬も猫も家族の一員、子供の様にソファーや椅子を引っ掻いたり、掘り起こしたりと言っても聞いてくれない瞬間も沢山あるかと思います。(笑)
そんなお悩みをソファーや椅子にお持ちの方も多いのではないでしょうか?
今回はソファーや椅子にペット対策が出来る生地はどの様なものがあるのか、そしてペットがソファーや椅子の生地を掘り起こしたり、引っ掻いたりとする行動心理はどのような状態なのかなど、私自身もペットを飼っているので、その見解や実際の張り替え事例を交えてご紹介していきたいと思います。

2.犬や猫は何故ソファーや椅子を掘ったり引っ掻いたりと傷つけてしまう?

猫と犬では特性が少し変わってくるようだが、ペットがソファーの生地をボロボロにしてしまったから、もう張り替えよう!
という前に、まずは犬や猫の行動心理など幾つか知っておこう

買い替えや修理をする前に、ペットの特性を知っておけば次は事前に対策できますよね!

犬がソファーや椅子を掘り起こす原因と対策

1.ソファーや椅子の隙間から食べ物の匂いなどがする

犬種によって泳ぐのが得意、人をサポートするのが得意、獲物を捕まえるのが得意など、特性が違います。
その為、特に獲物をハントする事を目的とした犬種などには起こり易いかも知れませんが、ソファーや椅子の隙間や下から食べ物の匂いなどすると掘り起こしを始める場合もあります。

愛犬が頻繁に掘り起こしをしている時は、ソファーや椅子の隙間や下を掃除して、食べ物など無いかチェックするといいかもね(・∀・)

2.寝床や巣作り

イヌ科の動物は元来巣穴を掘り、生活する習性があるので、その巣穴や寝床作りの為に椅子やソファーの生地を掘り起こしてカリカリやってしまうようです。
犬は自分の身体より、一回り大きいくらいの小屋やゲージなどのスペースに落ち着きを感じるのでソファーの隅や背凭れと座るところの境目など、よくホリホリしてしまいますね(;^ω^)

若くてまだコマンドを覚えてくれるワンちゃんなら、ゲージを寝床にするよう躾をすればソファーホリホリ問題は解消されるかもしれないね(´∀`)

3. ストレス

なにか満たされていない事や、散歩時間が短すぎたり、運動不足やコミュニケーション不足など、ストレスを感じ続けているために、ソファーや椅子の掘り起こしが止まらない事も考えられます。

おもちゃを与えたり、運動時間をしっかりとってあげる事でソファーや椅子の掘り起こしも軽減されるかも知れないね!

猫がソファーや椅子を引っ掻く原因と対策

1.縄張り作り

猫が爪を研いで、ソファーや椅子の生地を引っ掻くのは、マーキングの意味もあるそうです。
オスは特に縄張り意識もつよく、ソファーなどを恰好の場所にしてしまうのですね。

飼い主の匂いがするソファーや椅子は更にお気に入りの爪とぎ場所になってしまうので、ソファーの横にキャットタワーなど置いてあげるとソファーから注意をそらせるかもしれないね!

2.ストレス

これは犬と一緒で退屈だったり、なにか満たされないストレスがあったりすると猫も爪とぎへ矛先が向かう様ですね。

猫も犬と同様に寂しさだったり、退屈と感じる時に起こす行動のひとつだから普段の遊びも含めたコミュニケーションをとってあげて解消しよう👆
あとは猫は犬に比べて先の鋭い爪をもっているから、普段の爪とぎもマメにしてあげるといざソファーを引っ掻いてい締まった時も生地が軽傷ですむよ(´∀`)

2.ペットの引っ掻きや防臭などに効果のある、ソファーや椅子の生地

うちの犬がソファーを掘る事を覚えちゃって、対策もいろいろしたけど既に生地はボロボロ(-_-
ソファーを買い替えようか、生地を張り替えようか迷ってるんです。。

修理や張り替えが必要になった時は、椅子生地メーカーからペット対策出来る生地も出ているのでここではペット対策のできる生地を、布・合皮・本革と紹介していくから、新品に買い替える時もそういう生地を使っているものを選ぶと良いと思うよ!

≪布≫

(AQUA CLEAN/アクアクリーン)

アクアクリーンはスペインで開発された、水で汚れを浮かせて拭き取るというメンテナンスを容易にした技術。
そのアクアクリーンから登場したペット対策に強力な味方をしてくれる生地で、ソファーや椅子の生地に対するペットの悩みを多機能で解決してくれる優れものなので、とてもお勧めです。

(特徴)

1.引っ搔きに強い

生地の特殊な構造によって、ペットの爪で引っ掻いた傷にも強く、まさにペット対策の生地になっています。

2.ペットの粗相や、飲みこぼしなどへのメンテナンスが容易

アクアクリーン技術によって、ペットの尿やコーヒーやワインの飲みこぼしも、汚れ部分に水を垂らし浮き上がった汚れを拭き取るだけという革新的なメンテナンス方法です。

3.ウイルスや細菌からの保護機能

アクアクリーン技術に加えてセーフフロント加工が施されることで、ウィルスや細菌の活性を制御してくれ生地を清潔に保ってくれます。

4.ペットの毛がソファーに付くのを防いでくれる

アクアクリーンエクストリームの生地は、繊維構造によって静電気が起きにくくなっているため、ペットの毛が椅子やソファーに付くのを防いでくれ、毛が付いた場合も粘着ローラーや掃除機などで取り除きやすくなっています。

アクアクリーンの詳しい生地情報はこちら

そんなアクアクリーンの生地は、スウェード調の手触りの易しい生地でカラーバリエーションもこのようなものがあります。

Carabu/カラブ

《すこしシボ感(細かな型押し模様)のあるアクアクリーンエクストリーム》

Marina/マリナ


《陰影のある柄による本革調の人口スウェード》

アクアクリーン生地はペット対策以外にも、小さなお子さんのいる環境や、生地に汚れが付きやすい環境などにもとてもお勧めな生地なので、防汚対策などにもぜひ押さえておきたい生地の一つです。

アクアクリーン生地の詳しい情報はこちらから

サンゲツ/アクアクリーン機能のついた生地

日本の生地メーカー「サンゲツ」からもアクアクリーン機能の付いた椅子生地のラインナップがあります。

引っ搔きに強い生地は、ノルディーフォームⅡとなりますがその他の生地もペットの粗相などに関しては防汚対策が出来る生地になっているので、生地の柄やカラーのバリエーションをもう少し選びたいという方には最適な生地では無いかと思います。

サンゲツのアクアクリーン生地の詳細はこちらから

サンゲツのアクアクリーン生地の詳細はこちらから

ラムース / シンコール

続いては日本の生地メーカー、シンコールの生地です。

こちらもやはり猫や犬などの引っ掻き傷から生地を守ってくれる代表格といってもいいような、人工スウェードの生地になります。
お値段はやや高めの高級人工スウェードですが、生地のクォリティーは折り紙付きと言ってもよいのではないでしょうか!?

選べる色味も豊富で、基本的にはぬるま湯もしくは、中性洗剤を溶かしたぬるま湯での水洗いができるというメンテナンスも簡単で、引っ掻きにも強いという、ペット対策にはうってつけの生地です。

ラムースの詳しい生地情報はこちらから

≪合皮≫

布の他にも引っ掻きに強い合皮の生地もあります。

本革はちょっと値段的に厳しいけど、レザーの雰囲気も出したいし、でもペットの引っ掻きが気になるし。。
という方には最適な生地だと思います。

ガードマンプロ / シンコール

シンコールから出ているその名も「ガードマンプロ」 いかにも強そうです^^

表面の硬度が高くて、この生地のウリはペットの引っ掻きに強い事!
通常の合皮のスナッグ(引っ掻き)テストでは100回でボロボロになってしまったところ、ガードマンプロでは1000回でも目立った傷は無かったという驚異の結果が見られたようです。

ペット対策を合皮生地でされたい方には、心強いですね。

ガードマンプロの詳しい情報はこちらから

≪本革≫

最後は本革のペット対策ですが、本革には特別引っ掻き傷への対応機能を持った生地がありません。

そのためペットに革表面を引っ掻かれてしまうと、直ぐに傷が付いてしまったりすることも多いでしょう。
ですが、すこしでも何とかならないのか?

というお声をお客さまから頂く事はもちろんありますので、少しでも解決できるお手伝いをさせて頂けたらと思います。
ただ、本革の場合はあくまでも補助的な対策となることをご理解下さい。

本革のペットへの対策

本革は生地の特性上、先に紹介したような布や合皮のように機能性を加えるというのはなかなか難しいかも知れませんが、撥水や防汚のコーティングを掛けてあげたり、革表面の塗装の仕方が傷のつきにくいものを選んであげたりする事で、完全ではありませんが対策をしてあげることは出来るでしょう。

1.ウレタン顔料塗装してある革を選ぶ

本革の表面の塗装処理には、染料、顔料、顔料と染料の半分半分。なものがあります。

出来るだけ表面が顔料でしっかりと塗装されている方が、生成りや染料染めの革に比べ、表面のコーティング効果も高いので、傷が直ぐに付きにくかったりします。

生成りの革などは革の本来の表情を残し、塗装も薄くもしくはほぼされていない状態なので、革の経年変化を楽しんだり、俗にいう味を出していきたいなどの場合は良いのですが、表面をガードするという意味では効果的ではありません。

その為、引っ掻き傷から守ったり、変色などに強かったりするのは本革の中ではウレタンによる顔料塗装がしっかりとされている革なので、その方が吸水性も低くアニリン系の革よりは水染みなどには強く、メンテナンスも比較的楽になります。

言葉だけでそれを見分けるのは難しい部分もあると思うので、見た目ではこのような違いがあります。

(表面にコーティングや塗装のされていない本革)

タンニン鞣しの生成りの革です、ここから使っていくたびに変色などを起こしていき味が出てくるような革です。
引っ掻き傷などにはかなり弱めです。

(セミアニリンレザー)

顔料の塗装されている革に比べて、表面に透明感がありますが顔料塗装の革にくらべるとやはり傷などには強くなく、紫外線などによる変色もしやすく、吸水性も低くはない革です。

(ウレタン顔料仕上げの革)

表面がしっかりと顔料で塗装されているので、コーティングもほかの革に比べて強いので、生成りやアニリンレザーに比べて傷には強いですが、革の繊維の上に塗料を乗せる形で塗装されるので、革の表情は生成りやアニリンレザーほど自然ではなく、少しノッペリとした表情にはなりやすいですが、革が傷から保護されるという意味においては本革の中では引っ掻きには一番つよい革になります。

2.コーティング剤を革の上から吹き付ける

革や合皮、布などの生地の上からコーティング保護剤を塗布してあげる方法もあります。

防汚・撥水・キズから保護してくれるようなコーティング剤を塗布してあげる事も可能なので、ソファーや椅子の生地の状態が買い替えたり張り替えるほどに傷んではいないけれど、傷や汚れが付くのが不安。
という場合には、コーティング剤で保護してあげるのも有効な手段の一つですが、強い引っ掻きの場合はキズ1つ付けないという事は難しいかも知れません。

3.愛犬の引っ掻きや粗相によるソファーの張り替え事例

うちのソファーは生地がもうペットの引っ掻きでボロボロになってしまって、買い替えようか修理しようか迷ってるんです

買い替えるか張り替えるかの判断は、使っているソファーの品質だったり、家具への思い入れだったり。 これからどんなソファーをどのように使って行きたいかにもよると思うよ。
ペットへの対策ができる生地で張り替えたとき、仕上がりの参考に、今回は張り替え事例を掲載してみたので検討する材料にしてもらえるといいかも知れないね!

《ペット対策生地での張り替え事例》


【ソファー購入店】 アクタス/ACTUS  【ソファータイプ】リップタイプ ラブソファ

【張り替え生地】  ラムース / シンコール T7161

https://sincol-group.jp/digitalcatalog/textile2019/#page86

【施工内容】 ウレタン交換と生地の張り替え 【ご依頼地域】東京都杉並区


[張り替え前写真]


アクタスで以前に購入されたという、ラブソファです。
真ん中の縫製から縦におおきく破れてしまっていて、中のクッションがまる見えの状態です。
そして生地自体も黒ズミが酷く、ペットによる汚れの影響が大きかったとのことでした。


元々は真っ赤なスウェードの生地が張られていましたが、ペットの引っ掻きによって座面の手前側は生地の表面が剥げてしまっています。

猫ちゃんやワンちゃんの引っ掻き傷を、お持ちのソファーや椅子で経験された方は「分かる分かる。。。」と思われる方も少なく無いのではないでしょうか。
もっとも可愛いペットなので、怒るに怒れない。。という心境も否めないかと思います(;^_^

今回生地を張り替えるにあたって、今後のことも考えてシンコールの「ラムース」という生地を選んで頂きました。

こちら今回選んで頂いた「ラムース」になりますが、この中のT-7161 張替え前と同じ赤を選ばれました。

この生地を選んだ理由は

・現状と同じく高級な人口スウェードで、今の色や雰囲気が気に入っている為、張替え前と後でソファーの印象も  変えなくてよく、色も豊富に選べたこと
・ラムースは引っ掻きに強く、今後もペットの引っ掻きによる劣化を軽減できる
・手入れが簡単な機能を持った生地なので、飲みこぼしやなどがあった時など対応しやすい

というのが主な理由です。

張替えの施工に関しては、このソファーはRの部分が多く、曲線的なフォルムが特徴で、そのフォルムを崩さないように仕上げることに気を使って張り替えをさせて頂きました。

ウレタンクッションもかなりのヘタリや沈みがあったので、土台の部分からベルトの交換など行いウレタンクッションも交換しヘタリなど解消させて頂きました。

[張り替え後写真]

張り替え前と見違えて、汚れや破れも解消されてクッションも張りが戻りました💺
今回の様な起毛している生地の場合、そんなに汚れていないと見えても定期的にスウェードブラシなどで軽く全体をブラッシングしてメンテナンスしてあげると、見えない汚れや、小さな汚れがこびりついていつの間にか取れなくなってしまったなども減ってくるので、生地の長持ちにも繋がります。


ペット対策生地による他の張り替え事例はこちらから

 

いかがでしたでしょうか?

今回はペットの引っ掻き傷や粗相からの汚損などから、ソファーや椅子を守る方法や、張り替えた事例をご紹介させて頂きました。

私も大型犬を飼っていますが、ペットとは離れる事の出来ない大事な家族の一員。

しかし、まだやんちゃで小さなときの噛み癖や引っ掻き癖、シニアになってしまってからの粗相など
ソファーや椅子の生地への悩みも多いはずです。
(因みに私はいろいろ試行錯誤の結果、コスト面やメンテナンス面のバランスで合皮の生地をソファーカバーにしています^^)

そんなお悩みをお持ちの方々に、今回の記事が少しでも参考になってくれると嬉しいです。

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