2026.02.06
スチールフレームの本革ハイバックチェアを「カバーリング仕様」でスッキリ張り替えました
修理内容
- 種類
- ダイニングチェア
- 施工方法
- 生地の張り替え
- 修理工賃
- ¥30000〜¥60000
- お預かり期間
- 4週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 東京都新宿区
- 修理内容
-
こんにちは。
今回は、東京都新宿区のお客様からご依頼いただいた、スチールフレームの本革ハイバックチェアの張り替え事例をご紹介します。
当店は一都三県を中心に椅子やソファの張り替えや修理を行っております、日々ご依頼いただく張り替え事例などを発信していますので、古くなってしまった椅子やソファにお困りの際には、是非参考にしていただけたらと思います。
今回の椅子は、背もたれがすらりと高い「ハイバック」タイプ。スチールフレームのクールな質感と本革の組み合わせがとてもおしゃれな椅子ですが、やはり長く使っていると革の傷みはどうしても避けられません。
「お気に入りの椅子だけど、ボロボロになってしまった。でも買い替えるのはもったいない……」
そんな悩みをお持ちの方に、今回の施工の内容が参考になれば嬉しいです。
- 張り替え前の状態:革の破れと色の退色
まず、作業前の椅子の状態を詳しく見ていきましょう。
お預かりした椅子は、元々はグレー系の本革が張られていました。しかし、長年の使用によって革の表面がかなり擦れてしまい、茶色にも見える色に変化してしまい、色が抜けてしまっている箇所が目立ちます。
特に背もたれの上部や座面など、体がよく触れる部分は革の油分が抜けてカサカサになり、ひどいところではパックリと破れが生じていました。
本革の椅子は、新品の時はとても綺麗ですが、経年劣化で乾燥して柔軟性がなくなり、そこからひび割れや破れにつながってしまったり、表面の塗装が剥げてしまったりと劣化していきます。
また、椅子を支えるスチールフレームの脚も、全体的にくすんでしまっていました。金属は空気に触れているだけで少しずつ酸化して光沢がなくなっていくので、革が古くなっていることと相まって、椅子全体がかなり疲れた印象になっていました。
「古くなってしまった椅子を張り替えて、また使いたい」というお客様のご要望を受け、今回はただ元に戻すだけでなく、少し工夫を凝らした張り替えを計画しました。
2.同じ色味のスムースレザーへ
今回の張り替えで選んだ革は張り替え前と同様のグレーのスムースレザーになります。
シボのない「スムースレザー」を選択
元々の椅子もシボのないスムースレザーだったので、張り替え前と雰囲気を変えることなく、新しく張り替える革もシボがほとんどない「スムースレザー」を選びました。色も元のグレー系からから、同じようにグレーを選びました。
少しブルーの入ったグレーになります。
スムースレザーは表面がツルッとしていて、全体の印象がスッキリするのが特徴です。
これを使うことで、ハイバックチェアの長い背もたれのラインがより強調され、パッと見た時の清潔感がぐんと上がります。
ステッチをなくす「カバーリングの仕様」へ
元々張り替え前の椅子は、革の淵周りに太い糸でステッチがあり外側から縫製されている仕様でした。
しかし、このデザインを再現することが出来ないわけではありませんが、時間と手間がかかる為、費用も高額になりがちです。
その為、デザインを変更し内縫いの袋タイプのカバーを作り、それをフレームに被せて仕上げました。
アウトラインや全体的な椅子の印象は大きく変えずに縫製デザインを変更し張り替えをしたことで、費用も軽減されました。
- 張り替え作業のプロセス:古い革を剥がすところから
それでは、実際の作業の流れをご紹介します。
古い革のカバーの分解
まずは、ボロボロになってしまった古い本革を丁寧に剥がしていきます。この時、ただ剥がすだけでなく、内部のウレタン(クッション材)の状態もしっかり確認します。 革が破れていた場所からは埃が入り込んでいたり、ウレタンが劣化して粉状になっていたりすることもあります。今回は、中のウレタンクッションも痛んでおり、その為ウレタンクッションも交換しました。
型取りと裁断
次に、新しく革を裁断するための型取りを行います。
型取りは仕上げのベースとなる工程なのでとても重要で、元の型の形や寸法が違うとその後の工程を頑張っても結局サイズや形がフレームに合わずに失敗してしまいます。
ですので、確認をとりながらしっかりと型取りを行なっていきます。
そして取れた型をベースに新しい革を裁断し、ミシンで縫製していきます。
- スチールの磨き:足元から綺麗にする
革を張り込む前に、「スチールフレームの磨き」を行いました。
せっかく上の部分の革が新品になっても、脚のスチールががくすんだままの状態を塗装でない場合は椅子全体の雰囲気もかなり変わってきます。
専用の研磨剤を使い、脚の一本一本を磨き上げていきます。
作業前はマットでどんよりしていたシルバーの脚が、作業後は周囲の景色が映り込むほどのピカピカな状態に戻りました。
スチールが輝きを取り戻すと、その上に載るグレーのレザーがより一層引き立ちます。こうした細かいけれど、全体の印象を左右する部分があるので、その辺りを綺麗にしてあげるとただ生地を張り替えて終えるよりも、椅子やソファ全体の印象がかなり変わってくるかと思います。
- 仕上げの張り込み:シワのないフラットな仕上がりへ
いよいよ、新しいスムースレザーを張っていきます。
ハイバックの長い直線のラインを出すために、革を上下左右から少しずつフレームに被せていきます。
背もたれの裏側や座面の角など、革が重なりやすい部分も、厚みが出すぎないように処理します。
- 完成後の椅子
全ての作業が完了しました。
張り替え前と後を比べると、椅子の印象がかなり変わりました。
破れてカサカサだったグレーの革は、しっとりと滑らかなブルーグレーのスムースレザーに。そして、細かく入っていたステッチがなくなったことで、全体のデザインがよりスタイリッシュになりました。
お客様からも「綺麗に仕上げてもらってよかった」と嬉しいお言葉をいただきました。
- 本革の椅子と長く付き合うために
最後に、今回のように綺麗に張り替えた本革の椅子を、少しでも長く良い状態で使うためのアドバイスをまとめておきます。
乾燥や紫外線や摩擦などが劣化の原因となるので、以下のポイントに気をつけてみてください。
- 強い直射日光を避ける: 窓際で日光が当たり続けると、革が乾燥してひび割れの原因になります。
- エアコンの風を当てない: 直接冷暖房の風が当た離続けると、油分が抜けてカサカサになりやすいです。
- メンテナンス: 染料系の革などは市販のレザークリームで薄く保湿してあげるだけで、革の柔軟性が保たれ、破れにくくなります。顔料系の革に関しては、メンテナンスオイルなどが革に染み込んでは行かないので、基本的には乾拭きだけでも良いでしょう。ホコリなどの空気中にある水分が革の表面に溜まると、表面の塗装面の劣化にも繋がります。
こうしたちょっとした手間で、今回張り替えた椅子も、また長く使い続けていただくことができます。
- まとめ:椅子を張り替えるということ
「古くなったから捨てる」のではなく、「直して、さらにもっと自分好みに変える」
椅子やソファの張り替えではこのようなことも可能です。
今回のスチールフレームの椅子のように、フレーム自体がしっかりしている良い椅子は、革を張り替えるだけで驚くほど魅力的に蘇ります。もしご自宅やオフィスに、思い出はあるけれど古くなってしまった椅子があれば、ぜひ一度ご相談ください。
当店のサイト(https://chairsrepair.net/)では、今回の事例以外にも、さまざまな椅子の修理・張り替え事例を写真付きで公開しています。
「私の椅子も直せるかな?」と思ったら、お気軽にお問い合わせくださいね。
- お客様の声
- 綺麗になりました。ありがとうございました。
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