2026.05.27

バロッサバレンティ:ホセフィーノ 本革チェアの張り替え修理 ボタンタフティング

BEFORE

AFTER

修理内容

メーカー名

VARO,S.A. VALENTI/バッロサバレンティ

WEBサイト→

メーカ紹介

18世紀に創業されたスペインの最高級家具メーカーブランドです。
ヨーロッパで 、16世紀から18世紀にかけてつくられていたクラッシックスタイルの家具のリプロダクションから始め、
技術や知識を蓄積。「バレンティスタイル」という独自のエレガントで気品のあるデザインの家具をつくり上げています。
クラシカルで伝統的な家具はその歴史ある熟練の技から生まれた洗練の極みと評されています。
このようなバロッサバレンティ独特のフォルムの家具は、
世界中のセレブやインテリアファンから、あこがれのブランドになっています。

モデル名
ホセフィーノ
種類
パーソナルチェア
施工方法
生地の張り替え
修理工賃
¥120000〜¥150000
お預かり期間
4週間
配送方法
家財宅急便
依頼地域
横浜市
修理内容

スペインの最高峰クラシック家具ブランド「VAROSSA VALENTI(バロッサバレンティ)」の、ブランドを代表する名作本革チェア「ホセフィーノ(JOSEFINA)」の張り替えを行いました。

長年使い込まれて風格を増した表情から、気品溢れる高貴な美しさを取り戻すまでの軌跡を、ブランドの歴史や椅子の特徴とともに詳しく解説します。

1. スペインの至高、バロッサバレンティ(VAROSSA VALENTI)とは

バロッサバレンティは、18世紀の創業以来、ヨーロッパの伝統的な職人技を頑なに守り続けているスペインの最高級家具ブランドです。その歴史は、金・銀細工の工房から始まりました。金属加工の精密な技術をベースに、やがて高級家具の製造へと発展。代々受け継がれてきた「手仕事へのこだわり」は、現在の家具造りにも色濃く反映されています。

バロッサバレンティの最大の特徴は、単なる「古い家具の模倣」ではなく、16世紀から18世紀にかけてのヨーロッパのクラシック様式を現代の技術と感性で昇華させた「格調高いデザイン」にあります。厳選された最高級の天然木、熟練職人の手による繊細な彫刻、そしてブランドの代名詞とも言える上質なレザー。これらが融合した製品は、もはや家具という枠を超え、次世代へと受け継ぐべき「美術工芸品」としての価値を纏っています。

日本国内でも、本物志向の愛好家や、高級ホテルのラウンジ、重厚な役員室などを彩るステータスシンボルとして、時代を超えて深く愛され続けています。

2. 名作「ホセフィーノ(JOSEFINA)」が持つ比類なき魅力

今回張り替えをご依頼いただいたのは、バロッサバレンティを象徴する高座椅子(アームチェア)の傑作「ホセフィーノ」です。

ホセフィーノの魅力は、一目でそれと分かる圧倒的な存在感と、身体を深く包み込む極上の座り心地にあります。

芸術的な木部と「猫脚(カブリオールレッグ)」

まず目を引くのが、艶やかな光沢を放つ上質な天然木のフレームです。アームから脚部にかけて流れるような曲線美は、熟練の職人が一本の木から削り出し、手作業で丁寧に磨き上げることで生まれます。脚部はエレガントな「猫脚(カブリオールレッグ)」になっており、重厚なフォルムでありながらも、足元には軽やかさと優美な宮廷文化のエッセンスを感じさせます。

背もたれの「ボタン留め(タフティング)」

ホセフィーノのアイデンティティとも言えるのが、背もたれに施されたボタン留め(ディープ・タフティング)です。
レザーに均等にギャザー(ひだ)を寄せながら、クッションの奥深くへボタンを留めていくこの技術は、機械では決して真似のできない、難易度の高い技術を要します。
この立体的な美しい陰影が、チェア全体にクラシカルな気品と立体感を与えています。

3. 張り替え前の状態(Before)の分析

張り替え前の写真を見ると、この椅子が長い時間使われてきたのが伝わってきます。

  • レザーの経年変化(エイジング)と課題 オリジナルは黄みがかったオリーブグリーンの本革仕様です。バロッサバレンティ特有の美しい濃淡(アンティーク仕上げ)が残っていますが、座面を中心に全体的な乾燥と、革の表面に細かな「ひび割れ(クラック)」が大きく広がっていました。本革は育てる楽しみがある反面、長年の荷重や寝返り、油分の抜けによって、どうしても擦れや割れが発生してしまいます。

  • クッションのボリューム低下 長年のご使用により、座面やアーム部分のクッションがやや沈み込み、内部のウレタンやバネのへたりが見られました。これによって、特徴であるボタン留めのギャザー部分にも少し緩みが生じ、全体的にやや「お疲れ気味」な印象になっていました。

しかし、土台となる天然木のフレームや彫刻には目立った歪みや傷がなく、非常に堅牢な状態を維持していました。これこそが、バロッサバレンティが「一生モノ」「世代を超える家具」と呼ばれる所以です。

4. 今回の張り替え作業と使用生地(ニューソフト 078)

今回は、ホセフィーノが持つクラシカルな美しさを蘇らせつつ、現代のインテリアにも馴染む上品な仕上がりを目指し、全面的な張り替えと内部クッションの補修を行いました。

ニューソフト(色番:078)

新しく採用した生地は、しっとりとした滑らかな手触りと、優れた耐久性を兼ね備えたレザー「ニューソフト」です。

カラーは、深みと落ち着きのある「ディープ・フォレストグリーン」。オリジナルのオリーブ系に比べ、ややブルー味を帯びた現代的でスタイリッシュなグリーンであり、木部の赤みがかったブラウンを劇的に引き立てる相性抜群のカラーです。

ディテールの再現

本革の張り替えは、生地の厚みや伸縮性が異なるため、型取りやギャザーの寄せ方に繊細な感覚が求められます。

    • タフティングの復元
      背もたれのボタン留めは、ウレタンの厚みを新調・調整した上で、一箇所ずつ均等なテンションをかけながら絞り込みました。写真(2枚目)を見てわかる通り、ふっくらとした肉厚なボリューム感と、ダイヤモンドパターンのギャザーが蘇っています。

 

5. 張り替え後の状態(After)の感動

完成した写真(2枚目)をご覧ください。まるでタイムトラベルをして、当時のスペインの工房から仕上がったばかりの新品を迎えたかのような、圧倒的な美しさを取り戻しました。

  • 色彩のコントラスト ニューソフト078のマットで深いグリーンが、職人が磨き上げた木部の艶やかなフレームと見事に調和しています。背景のブルーグレーの壁とも美しく対比し、モダンな空間にもクラシックな空間にも映える、非常に洗練された佇まいへと生まれ変わりました。

  • 座り心地の劇的な向上 内部のクッション材(ウレタン)を全体的に補強・成形し直したことで、座面はふっくらとボリュームのある、本来の理想的なカーブを描いています。座った瞬間に、お尻から腰、背中へと隙間なくフィットし、体重を優しく受け止めてくれる極上のホールド感が復活しました。

  • メンテナンス性の向上 今回使用したニューソフトは、以前の革に比べてお手入れがしやすく、日常のメンテナンスの手間が大幅に軽減されます。
    それでいて上質な質感を維持しているため、これからもご家庭の主役として、安心して長くお使いいただけます。

使用した生地情報

ニューソフト M-078 29,000円~35,000円/半裁

本革

ニューソフト M-078 29,000円~35,000円/半裁

メーカー名

メルセン

メーカ紹介
品名
ニューソフト
品番
M-078
備考
革本来の風合いを備えた代表的な高級革。型押し等の加工は一切行わず自然の外観を表現するこちらの商品は、椅子用革としてのロングラン商品です。
国名
日本
カラー
グリーン
素材
顔料
型押し
生地幅
半裁
厚み
1.05mm ± 0.2
価格
29000円~35000円/半裁
機能性
耐光性(強い) 耐色落ち(強い) 耐シミ(強い)

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