2026.01.08
ClassiCon クラシコン・アイリーン グレイ / ROQUEBRUNE ロクエブリューン 張り替え修理
修理内容
- メーカー名
-
ClassiCon/クラシコン
- メーカ紹介
-
ClassiCon(クラシコン)はドイツ、ミュンヘンに本拠地を構える1990年に誕生した家具ブランドです。
気鋭のデザイナーとのコラボレーションも積極的に行っており、特に、コンスタンチン・グルチッチのミニマリズムの要素を活かしながら、機能と構造を絶妙に組合わせた個性的なデザインが高く評価されています。
クラッシックとコンテンポラリーの両翼からなるプロダクトがブランドの特徴です。
- モデル名
- ROQUEBRUNE・ ロクエブリューン
- 種類
- ダイニングチェア
- 施工方法
- 生地の張り替え
- 修理工賃
- ¥60000〜¥90000
- お預かり期間
- 6週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 東京都江東区
- 修理内容
-
今回、お預かりした椅子は、20世紀の建築・デザイン史にその名を刻む女性デザイナー、アイリーン・グレイ(Eileen Gray) が手掛けた名作椅子、「Roquebrune(ロクエブリューン)」 になります。
1920年代から30年代、ル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエといった巨匠たちが活躍した男性中心のモダニズムデザイン界において、アイリーン・グレイは独自の感性と美学でその地位を確立した稀有な存在です。彼女のデザインは、当時の主流であった機能主義的な冷たさとは一線を画し、人間の身体や感性に寄り添う「優雅さ」と「心地よさ」を兼ね備えていました。
この椅子の名前である「ロクエブリューン」は、南フランスの景勝地ロクエブリューン=カップ=マルタンに由来しているようです。
ここには、彼女が自身の別荘として設計した建築史上の傑作住宅「E-1027」があります。
もともとこの椅子は、1927年にその海辺のヴィラのテラスで使用するためにデザインされたようで、当時はブルーのキャンバス地で作られていましたが、後にその美しいラインはそのままに、室内用として本革仕様のモデルが誕生します。
それが、今回お預かりしたこちらの椅子です。
極限まで無駄を削ぎ落としたスチールパイプのフレームと、座る人の背中を優しく包み込む革の絶妙なバランス。
一見すると華奢に見えますが、計算され尽くした構造は安定感があり、背面のレースアップ(編み上げ)のディテールが、後ろ姿にも気品を与えています。
「ClassiCon(クラシコン)」
現在、この歴史的な名作を製造・販売しているのは、ドイツ・ミュンヘンに拠点を置くClassiCon(クラシコン)社です。
1990年の設立以来、「Classic(古典)」と「Contemporary(現代)」の融合を掲げる同社は、アイリーン・グレイのデザインの世界的ライセンスを保持し、オリジナルの設計思想を忠実に守り続けています。
妥協のない素材選びとドイツならではの高度な品質管理によって作られるクラシコン社の家具は、「未来のアンティーク」と呼ぶにふさわしいとも言われています。
「気に入っている椅子だけれど、革が傷んでしまった」 「部屋の模様替えをしたら、今の椅子の色が合わなくなってしまった」
椅子やソファを長く愛用されていれば、一度はこのようなお悩みを抱えたことがあるのではないでしょうか。
一般的に、椅子の張替えというと「見本帳にある既存の生地や革から選ぶ」というイメージが強いかもしれませんが
「好きな色を、革を染色や塗装するところから作る」
今回は、東京都江東区にお住まいのW様よりご依頼いただいた、スチールフレームのスタッキングチェアの張替え事例をご紹介します。
張り替えだけのほか、本革のカラーオーダーや、カビや錆に侵されたフレームの「磨き」の工程などをお伝えいたします。
1.ご依頼の背景と「白からグレージュへ」
今回お預かりしたのは、シンプルで機能的なデザインが美しい、本革張りのスタッキングチェアです。
元々は清潔感のある真っ白な本革が張られていたようです。
白は空間を明るく見せる清楚な色ですが、長年の使用による汚れや黒ずみなどが目立ちやすい色でもあります。
ご依頼主様からのリクエストは、同じ色の革での張り替えではなく
「今あるソファの色にに合わせて、グレージュのような色に変更したい」
と言うようなご相談でした。
既製品の革サンプルの中にそれに見合う色があればいいのですが、本革に関しては合皮ほどのカラーバリーションが無く、そのため今回は本革をカラーオーダーにて作り、張り替えることとなりました。
2.張り替え前の状態:革の劣化とフレームの汚れ
作業に入る前に、まずはお預かりした椅子の状態を確認します。
本革の劣化状態
元の白い革は、座面や背もたれの中央部分を中心に、汚れの沈着や表面コーティングの剥がれが見受けられました。
本革は耐久性が高い素材ですが、長期間の使用で乾燥が進むと、表面に細かいひび割れ(クラック)が生じます。
特に白系の革は、皮脂汚れが黒ずみになってしまったりのケースが多く見られます。今回の椅子も、全体的な「くたびれ感」が出てしまっており、汚れや黒ずみが目立っている状態でした。
金属フレームの汚れ(錆・カビ・固着汚れ)
次に、金属フレームの状態です。
丈夫なスチールパイプですが、パイプの表面を確認すると、汚れなどが固着している状態でした。
点サビ: メッキの微細な穴から水分が入り込み、表面にブツブツと浮き出る腐食。
- 固着した汚れ: 長年の使用で付着した油分や埃が酸化し、黒くこびりついた汚れ。
- カビの発生: 湿気の影響を受け、汚れを養分にして金属表面や隙間にカビが発生している状態。
画像を見ていただくと分かる通り、黒ずんだ汚れとサビ、そしてカビが混ざり合い、元の綺麗な状態からは劣化してしまっています。
このフレームの部分を綺麗にしてあげることで、椅子全体の印象がかなり変わります。
そこで今回は、**「本革のカラーオーダー張替え」に加え、「フレーム磨き(サビ・カビ除去)」**を行うこととなりました。
3.「本革のカラーオーダー」とは?
既存のサンプルの中に気に入った色がない、合う色がないなどの場合はカラーオーダーにて革を仕上げることが可能です。
こんな色の本革でソファを張り替えたい、今ある他の椅子と同じ色の革で椅子を仕上げたいなどの場合は是非一度お問い合わせください。
既存のサンプル帳以外の色
通常の流れは、椅子の張替えを依頼すると、数冊の革の中から色を選ぶ事になりますが、それでも「もう少し赤みを抑えたい」「もう少し明るいグレーが良い」といった、微妙なニュアンスに応えることができない場合があります。
その為、色にこだわりのある場合には、希望の色のサンプルをもとに色を作りその色で、革の加工段階から塗装を施す事が可能です。
こうして完成した「自分だけの革」を使用して張替えを行うため、お客様の満足度も高くなるかと思います。
4.「フレームの研磨」
次に、錆やカビで覆われてしまったフレームの再生についてご紹介します。
「磨き」と一口に言っても、単に布で擦るだけではありません。金属の表面を削りすぎず、汚れだけを剥離させ、本来の輝きを取り戻す高度な技術が求められます。
カビと錆の除去
専用のクリーナーと研磨剤を使用して、表面の「カビ」などを手作業にて除去していきます。
汚れを全てリセットした後は、さらに仕上げ磨きを行います。 カビや錆でくすんでいたメッキが、徐々に鏡のように周囲の景色を反射するようになります。
この工程を経ることで、清潔感と輝きが蘇ります。
フレームが綺麗になると、椅子全体の印象がかなり変わります。
5.完成:生まれ変わった「グレージュ」のスタッキングチェア
洗練された大人のグレージュ
以前の白い革の時は「爽やかさ」が特徴でしたが、新しいグレージュの革は「落ち着き」を感じさせます。
グレージュは最近人気のあるカラーで、汎用性も高く色々なスタイルの空間にも溶け込む万能なカラーです。
革の質感も、顔料を厚塗りしすぎないように調整しているため、本革本来のしっとりとした手触りと、艶感があります。
カビ・サビを一掃し、輝きを取り戻したフレーム
そして、傷んでいたフレームが見違えるように綺麗になりました。
鏡面仕上げされたかのようなフレームに、新調したグレージュの革が椅子を取り替えたように綺麗になりました。
カビなどがあるとフレーム表面がザラザラとした手触りになりますが、表面は滑らかで清潔です。
研磨作業をしたことで、椅子全体が引き締まり、高級感がアップしました。
もちろん磨きだけでは取りきれない劣化もありますが、全体的な印象としてはかなり綺麗な状態になります。
6.なぜ「買い替え」ではなく「張替え」なのか?
(1) お気に入りの椅子やソファを使い続けられる
椅子やソファには、使い手の思い出も刻まれています。
「家族で食卓を囲んだソファ」「仕事に打ち込んだ椅子」など
その形状やサイズや座り心地は、使い手の体や部屋の大きさ、テーブルの高さなどに馴染んでいます。
革や布を張り替えることで、それらを残したまま、次の世代へと受け継ぐことができます。
(2) 既製品にはない「自分仕様」へのカスタマイズ
今回のように、革の色をオーダーメイドできたり、新しい色や機能性のある布や合皮に変えられるのは、張替えならではの特徴です。
メーカーの廃盤色であっても、今の気分の色であっても、自由自在です。
「売っているものに合わせる」のではなく、「自分の暮らしに合わせて椅子やソファを綺麗な状態にできる」
(3) 環境への配慮(SDGs)
躯体のしっかりとしたソファや椅子は、手入れさえすればかなりの年数使っていただけると思います。
ヘタすると一生物です。
表面が傷んだからといって、フレームごと廃棄してしまうのは、資源の大きな無駄にもなります。
今回のように、カビや錆が発生していても、綺麗に蘇ります。
「修理して使う」という選択は、地球環境にとっても優しいアクションの一つです。
7.椅子・ソファの張替えをご検討中の方へ
ご自宅の椅子やソファ、諦めていませんか?
「汚れが目立つ」「革が破れた」「色が気に入らない」「フレームが錆びている」 そんな家具があれば、ぜひ一度ご相談ください。
1.カラーオーダー対応: お客様の希望する色を作り再現します。
2.トータルレストア: 張替えだけでなく、クッションや木部の修理、カビや錆の除去、金属フレームの鏡面研磨など、椅子やソファ全体を再生します。
3.豊富な生地: お部屋の雰囲気に合わせた最適な素材や色の生地を提供できます。
今回の施工データ
- ご依頼主: 東京都江東区 W様
- アイテム: 本革スタッキングチェア(スチールフレーム)
- 施工内容:
- 本革張替え(カラーオーダー:ホワイトからグレージュへ)
- 金属フレーム研磨(カビ・サビ・汚れ除去)
- 素材: 牛本革(オーダーカラー)
椅子やソファは、直すことで新品以上の価値を持つこともあります。
あなたの一脚も、私たちにお任せください。
オリジナルのソファや椅子であなたの暮らしを彩るお手伝いをさせていただきます。
お見積もりは無料です。
LINEやメールにて、椅子やソファのお写真をお送りいただくだけで、お見積もりをお出しできます。
「こんな色にできる?」「いくらくらいかかる?」など、まずはお気軽にお問い合わせください。
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