2025.01.08
カッシーナイクスシー CAB 412 アームレスチェア 革の塗装メンテナンス
修理内容
- メーカー名
-
Cassina/カッシーナ
- メーカ紹介
-
17 世紀、イタリアに誕生したカッシーナ社は、家具業界において数少ないリーディングブランドとして世界中に知られています。完成度の高さとデザインの美しさは他の追随を許さず、数多くの製品がニューヨーク近代美術館の永久所蔵品になっています。
- モデル名
- キャブ412アームレスチェア
- 種類
- ダイニングチェア
- 施工方法
- 本革のクリーニングや塗装
- 修理工賃
- ¥30000〜¥60000
- お預かり期間
- 3週間
- 配送方法
- 自社便
- 依頼地域
- 東京都目黒区
- 修理内容
-
今回は、カッシーナイクスシー(Cassina ixc.)の名作チェア「CAB 412 アームレスチェア」の修理についてご紹介します。
この椅子はシンプルで洗練されたデザインが特徴で、世界中のファンから愛されています。しかし、長年使用していると革張りの椅子の表面には汚れや色褪せ、細かな剥がれなどが発生することがあります。
今回の修理で、その問題を解決できましたので、その内容を詳しくお伝えします!
1. CAB 412 アームレスチェアの魅力と劣化の症状
カッシーナのCAB 412 アームレスチェアは、ミニマルなデザインながら、座り心地と高級感を兼ね備えた逸品です。この椅子は、頑丈なスチールフレームを革で覆った構造になっており、どんな空間にも馴染むスタイリッシュな存在感があります。
しかし、革張りのソファーや椅子に限らずどんな素材の張地も年数が経てばいつかは経年劣化してしまうもの。
今回修理した椅子はダークブラウンのカラーで、以下のような劣化症状が見られました。
- 汚れ:使用頻度が高いため、座面や背もたれ部分に目立つ汚れが蓄積。
- 色褪せ:日光や摩擦によって、革の色が全体的に薄くなっていました。
- 細かな剥がれ:特に角やエッジ(小口)部分に革の剥がれが見られました。
- くすみ:革特有の艶が失われ、全体的にくすんだ印象に。
これらの劣化が重なり、せっかくの椅子が少し残念な状態になっていました。
2. 修理プロセスの詳細
修理を行うにあたり、まずは劣化の程度をしっかりと確認し、最適な方法を検討しました。以下のステップで作業を進めました。
(1) 汚れの除去
まずは表面の汚れを丁寧に落とす作業から始めました。
専用のクリーナー等を使い、今までに溜まった油分や汚れを落としていきます。
(2) 革の傷や剥がれた部分の修正
細かな剥がれや傷が見られた部分には、研磨作業をベースとして、塗料や補修材で表面を整えることで、剥がれや傷が奇麗に修理されていきます。
(3) 全体の表面の研磨作業と色や傷などの補修
革の表面の研磨作業をベースに行い、専用の塗料を使用して塗装作業を行いました。
ダークブラウンの色に合わせて微調整しながら研磨と塗装を繰り返し行い塗り重ねることで、均一な仕上がりに。染料が乾くと自然な色合いが戻り、椅子全体の印象がぐっと良くなりました。
(4) 仕上げ
最後に、仕上げの塗装を施しコーティング剤でコーティングをすることで全体のくすみも改善され全体がリフレッシュされました。
3. 修理後の椅子の状態
修理が完了したCAB 412 アームレスチェアは、見違えるように奇麗さを取り戻し、以下のような改善が見られました。
- 汚れが完全に除去され、清潔感が戻りました
- 色褪せが補修され、くすみも無くなりました
- 剥がれが傷も修正されました
- 何よりも全体の印象が修理前と修理後では全然変わりました
4. 同じ症状でお困りの方へ
もし、皆さんのご自宅にも同じような症状のCAB 412 アームレスチェアがある場合、今回ご紹介した修理プロセスを参考にしてみてください。特に革製品は適切なお手入れを行うことで、長く使い続けることができると思います。椅子は毎日使うものだからこそ、快適な状態を保ちたいですよね。
おわりに
今回の修理を通じて改めて感じたのは、革製品の魅力と修理の大切さです。高価な椅子だからこそ、大切に扱い、劣化したら修理して使い続けることで、愛着も増していきます。
カッシーナイクスシーのCAB 412 アームレスチェアは、その美しさと快適さから多くの人に愛されている名作チェアです。もし同じような椅子をお持ちで、劣化にお悩みの方は、ぜひ一度修理を検討してみてください。修理やメンテナンスによって奇麗さを取り戻し、また長く使い続けることができます。
今後もソファーや椅子の修理に関する情報を発信出来ればと思います。