ソファーや椅子を張り替えるのが初めて。
こんなボロボロになってしまったけどちゃんと直るの?
張り替える生地はどんな生地があるの?
などなど、ソファーや椅子の張り替えや修理を依頼する前には、質問を頂くケースも多くあります。
張り替えをする前の疑問は個々に違いますが、ソファーや椅子の張り替え前に解消しておきたい疑問など、実際にいただくお声を基に張り替え事例などを踏まえてご紹介していきます。
これからソファーや椅子やテーブルなどの張り替えや修理を検討している。
などの方々へ少しでも参考になれば幸いです。
MENU
1.ペットの引っ掻き傷に困っていた張替え事例
ポルトローナフラウ カウチソファー ガードマンプロ総張り替え
ご相談内容
:薄いベージュ色の本革ソファーを使っていますが、猫を飼っていて引っ掻き傷が多くついてしまっています。
また同じように本革で張り替えると同じように引っ掻き傷が出来てしまうでしょうか、引っ掻き傷に強い合皮などがあれば合皮でも良いと思っています。
なにか良い案はありますか?
回答
:本革には顔料仕上げの物と染料仕上げ、又はそれを合わせた仕上げの革がありますが
基本的には顔料で革の表面を仕上げているものが、他の革に比べて退色や傷などには強いですが、ペットの引っ掻きなど鋭利なものの強い力の引っ掻きには強いとは言い難いです。
その為本革に拘りはしないけれど、レザーの質感を残したいという事であればシンコールの「ガードマンプロ」という引っ掻きに強いフェイクレザーがありますので、そちらがお勧めです。
ガードマンプロは犬や猫の爪に見立てた引っ掻きの試験を実施し、通常の合皮では100回の引っ掻きでボロボロになってしまうところが、1000回行っても目立った傷が無かったという結果が出ています。
また、耐次亜塩素酸ナトリウムやアルコールの機能があるので、ウィルス対策などでアルコールなどでソファーのメンテナンスを行うケースにも最適です。
結果この様なご相談のもと、この事例ではガードマンプロというフェイクレザーにてソファーの張り替えを進めさせて頂きました。
※全ての引っ掻きやアルコールなどに耐えうるものを保証するものではありません。
【張り替え前】
【張り替え後】
2.革や木部に染みついてしまった匂いの除去に困っていた事例
デセデ DS-164 ソファー 革の張り替えと木部交換
ご相談内容
・今と同じようにこのソファーを本革で張り替えたいのだが、前の持ち主がペットを飼っていたのか分からないが、匂いがキツくしみついてしまっている。
張り替える事を機に、匂いを除去したいんだけれど何か良い方法はありますか?
回答と対応
・こちらのソファーに関しては、匂いの程度なども分からなかった為一度製品を実際に拝見しに伺いました。
今回は家を新しく建てると同時に、ソファーの張り替えをしたいという事だったので今後の事も考えると匂いはしっかりとなくしたいというご希望でした。
その上で、やはりオーナーが仰られるようにペットのアンモニアの匂いも染みついてしまっていました。
結果、土台となる木部のフレームから新しく作り替え、ウレタンクッションも交換し、革の張り替えをさせて頂きました。
【張り替え前】
【張り替え後】
3.生地に汚れやシミを懸念していた張替え事例
カッシーナイクスシ― チェアマンソファ 撥水後加工の生地で張り替え
ご相談内容
・カッシーナのチェアマンソファーをオーダーで3シーターの仕様にして作ってもらったものです。
布地を希望しているのですが、汚れや水分などによるシミが後々つかないか心配です。
何かよい案はありませんか?
回答
・布地の種類も多数ありますが、布は吸水性が高く仰る通り飲みこぼしなどによる水分を
放置しておくと、染み跡などになる場合もあります。
その為、撥水加工の施されている生地もあるので、その様な生地を選ばれるのも良いかと思います。
結果
生地選びにあたって、幾つかデザインや質感など気になる生地を選んで頂きましたが、選んで頂いた生地はどれも撥水や防汚加工などがされていない生地でした。
その為、まずはお気に入りの生地を選んで頂き、その後に選んだ生地に「パールトーン加工」を後加工させていただき、撥水と防汚効果をもたせました。
パールトーン加工とは撥水と防汚機能をもたせる加工の事で、水や油の浸透を防ぐため汚れが付きにくく生地をガードしてくれます。
繊維の1本1本に効果が浸透するため、布地の特徴でもある通気性を損なう事がなく
風合いなどもほぼそのままです。
後加工がお勧め出来ない生地もありますが、気に入った張地に更に防汚や撥水加工を加えたいという場合にはとても有効な加工になります。
また、こちらのソファーは通常の同じタイプのソファーに比べて、横に長い設計にしたためか、軋み音がなる状態であったので、木部の補修も行い軋み音を無くしました。
【張替え前】
【張り替え後】
4.お客様から指定の生地ブランドで張り替えた事例
ハンコック&ムーア/ Hancock&Mooreのソファー 柄物生地で張り替え
・ご相談内容
3人掛けのソファーですが、張り替えを検討しています。
張り替えに使いたい生地が決まっているのですが、御社のホームページに載っていない生地になります。
その場合も生地の手配をお願い出来るのでしょうか?
・回答
はい、可能です。
弊社のホームページに記載の無いブランドや品番の生地でも、多くの場合は当方でお手配可能になりますので、生地の手配後に張り替えをさせて頂けます。
・結果
ドイツのダマスク柄の生地で張り替えたいという事で、生地のブランドを教えて頂き、その後に色を選んで頂き生地を手配させて頂きました。
また、普段はソファーに長く座る事もなく、お客様がご自宅に来られた際にソファーを使う事が多い為、普段は座面にカバーを掛けておきたいとの事で、共布で座面のカバーも作成させて頂きました。
座面下のスカートも無くしてほしいとの事で、スカートは張り替え時に取り除き仕様を変えました。
(張り替え前)
(張り替え後)
5.自分だけのオリジナルカラーで革ソファーを張り替えた事例
カッシーナのマラルンガソファー 張り替え
・相談内容
今回張替えをお願いするにあたり、気に入った革の色がサンプルブックの中に見当たらず
困っています。
何か良い案はないでしょうか?
目当ての色は既に決まっています。
・回答
革の張地サンプルの中にお気に召す色が無い場合は、革の種類を決めて頂きその革を基に
色をオーダーで作成することが可能で御座います。
色が既に決まっている場合は、その色のお写真やサンプルなどをいただけたらと思いますが
弊社のカラーサンプルも70色程度御座いますので、その中からお選びいただく形でも構いません。
通常の革の納期よりはお時間を頂きますが、好みの色での張り替えが可能となっております。
・結果
本革のカラーオーダーという形で、張り替え修理をご依頼いただき、通常よりは1か月ほど納期に時間は頂きましたが好みの色での張り替えをさせて頂きました。
(張り替え前)
(張り替え後)
6.ソファー生地の色が落ちてしまった為に、張り替えをした事例
コンランショップのカバーリングソファーをアクアクリーン生地で張り替え
:ご相談内容
ソファーのカバーがファスナーで開閉でき、自分でカバーを外す事が出来る為カバーを洗ったところ、生地の色が落ちてしまい薄くなってしまった。
その為張り替えをしたいのですが。。
:回答
カバーリングされているソファーや椅子の生地は、ご自身でも外す事が出来るので洗ったりメンテナンスしたりと出来るメリットがありますので、ステープルで本体に留めてある生地に比べて機能的ですよね。
ただし、張り地を洗って頂く為には、椅子やソファーの生地の中でもウォッシャブル対応の生地であることが一つの条件になります。
そして、ウォッシャブル対応の生地であっても洗う時には洗濯機でガシガシ洗うのではなく、手洗いなどで優しく洗って頂く事をお勧めいたします。
今後も生地をどこかのタイミングで洗われるご予定がある場合は、張り替えの際にウォッシャブル対応の生地をお勧めいたします。
また、布の汚れが今後気になる様であれば、アクアクリーン機能を持った生地であれば飲みこぼしなどの汚れが付いてしまった際に、汚れを拭き取りやすく生地を奇麗に保ちやすいのではないかと思いますので、そちらもお勧めです。
:結果
張地の選択でオーナー様も少し悩まれていましたが、今回は「アクアクリーン」機能を持った生地を選んで頂き、ソファーを張り替えさせて頂きました。
アクアクリーンはスペインで開発された技術で、ワインやコーヒーなどの飲みこぼしも
こぼれてしまってから、あまり時間を空けずに直ぐに対処すれば、こぼしてしまった箇所に少量の水を垂らしてあげると汚れが同時に浮き上がってくるので、その汚れをサッと拭いてあげる事が出来る。
という機能になります。
生地を洗ってあげるよりも手間も少なさそうですね。
アクアクリーンはその他にも、アクアクリーンの機能+ペット対応という生地もあったりするので、ソファーや椅子の布地に対するお悩みを一気に解決してくれるような生地になりますので、是非一度検討してみては如何でしょうか。
(ソファの張り替え前)
(ソファの張り替え後)
7.ソファーの座面のレザーが破れてしまったので、座面だけを部分的に張り替えた事例
合皮生地のボタン締めソファーを座面部分張り替え
:ご相談内容
レザーソファーを所有しています。
ボタンの付いたソファの座るところが一部破れてしまいました。
座るところ以外はレザーも奇麗な状態です。
修理をしてくれる業者さんを探しているのですが、修理は可能でしょうか?
:回答
修理自体は可能です。
方法としては生地は合皮が使われているかと思いますので、考えられる修理方法としては破れてしまっている座面部分だけを張り替えるか、背凭れなども含めたソファーのレザー全てを張り替えるかどちらかの方法になると思います。
座面だけを張り替えた場合は、張り替えをしない背凭れやアーム部分と色や質感の差異が出る場合が御座います。
意図的に座面だけの色を変えたいなどの要望であれば良いのですが、そうでない場合は
同じ合皮があれば同じもので張り替えを進めますが、同じものが見つからなかった場合は
似寄せの合皮での張り替えとなりますので、座面部分だけ多少の色や質感の差異が生まれる場合があります。
:結果
今回は生地メーカーのサンプルの中からレザーを探したところ、ほとんど色や質感の同じ合皮が見つかり、座面だけを張り替えましたが仕上がりに差異は無いと言っていいほど、違和感無く施工出来ました。
部分的な張り替えは本革や布地の場合もそうですが、ソファーのブランド独自の生地が使われていて仕入れる事が難しいケースも多々あります。
その場合は出来る限り色や質感に差異の出ないよう工夫し仕上げを行っておりますが、完全ではありません。
しかしながら本革の部分張り替えの場合は、見た目に違和感の無いレベルで仕上げる事を基本としております。
合皮の場合は今回のケースの様に同じ生地がいつかる場合もあるので、都度お問合せを頂けますと幸いです。
(張り替え前のソファ)
(張替え後のソファ)
8.ソファーの座面の革の剥がれと猫の引っ掻き傷、座面と肘掛以外は比較的奇麗な状態
座面の革の張り替え/他の部分はクッション修理とクリーニング
:ご相談内容
自宅マンションのリノベーションを計画してます。
仮住いの間に気に入っていたソファのクリーニング、一部革の張り替え、クッションの補強をお願いしたい。
・座面は、経年変化のひび割れ、猫の爪磨ぎの破れ、クッションの劣化があり、張り替えが必要と思います。
・ひじ掛け部分、背もたれ部分は、クリーニングで綺麗になるならそれでも可能。
・背面および側面は、劣化はないのでそのままでも良いです。
状態を見て、こう修理した方が、良いということがあれば、ご提案頂きたいです。
:回答
座面部分に関しては、猫の引っ掻き傷やひび割れもあるとの事で、お写真を拝見しても仰せの通り張り替えが必要かと思われます。
他の部分に関しては、白い革という事もあり経年で油分や黒ズミ、その他の汚れが蓄積している状態ではあるかと思われますので、クリーニングで対応させて頂きたいと思います。
クッションの方はヘタリもあるかと思いますので、修理し張りを戻し、座面の方はクッション下のベルトをチェックし必要であれば交換での対応をさせて頂きたいと思います。
:結果
革が白ということもあり、汚れが目立ちやすいですがまずは全体的なクリーニングを行い、今まで溜まった黒ずみなどをある程度除去する事が出来ました。
クリーニング後は白さが戻りました。
戻った白さに合わせて張り替える座面の革を選定し、シボ感や色に出来るだけ差異の出ないように革を選び座面部分の張り替えをさせて頂きました。
クッションに関しては、アーム部分や背凭れ部分、そして座面の部分に補填し張りを戻しましたので全体的な印象も良くなったかと思います。
レザーの部分張り替えでは、合皮、本革問わずシボ(レザーにあるエンボス)や艶感、色味などを確認し、出来る限りその辺りが似ているものをチョイスし張り替えを行います。
それにより仕上がりの違和感や差異を抑える様に心掛けていて、今回もほぼ違和感なく仕上がったかと思います。
ソファーの構造やデザイン、または生地の状態などによって部分的に張り替えが難しいケースもありますが、部分張り替えが可能なケースでは全体を張り替えるに比べて、費用が安価に済むことが大きなメリットになります。
修理や張り替えはソファーや椅子の状況やデザインにより、方法や料金が異なってくる場合が多いので都度お問合せください。
(修理前のソファー)
(修理後のソファー)
終わりに
いかがでしたでしょうか。
ソファーや椅子の張り替えを業者さんに頼んだ経験が無い、張り替えには興味があるけど何から考えたらよいか
いまいちパッとしないなどなど、修理や張り替えには様々な疑問も多いかと思います。
張り替えによって、ヘタってしまったクッションや、破れてしまったり、薄れてしまった生地も新しくよみがえあらせることが出来ます。
また、折れてしまったりガタついてしまった木部などの修理も同時に可能です。
ソファーや椅子は、リビングやダイニング、自分のお部屋などに欠かせない家具アイテムの一つです。
今回のこの記事や事例が、これから張り替えをご検討の方々の一つの参考になれば幸いです。